城西大20年ぶりトップ3へ急成長の2年生・鈴木優菜がカギ…全日本大学女子駅伝27日号砲

チームワーク抜群の笑顔あふれる城西大の選手たち

◆城西大30年連続31回目

 大きな壁を乗り越えるだけの戦力がそろった。近年、5年連続8位以内と安定した成績を残している城西大は、今年の目標に20年ぶり3位以内を掲げる。頼もしい3年生の兼子心晴、金子陽向、高橋葵らに加え、5月の関東インカレ1部5000メートル5位入賞の本沢美桜(1年)ら期待の下級生もいて、層が厚い。中でも鍵を握るのは「状態は今、上り調子です」と目をキラキラさせる急成長中の2年生・鈴木優菜だ。

 鮮烈デビューを飾ったのが今月5日だった。昨年の入学前から続いたけがが癒え、関東大学女子駅伝で大学初レース。すると約1年10か月ぶりとなった試合で、1区区間新記録をマークした。全体練習参加は今年7月からで、約3か月の急成長に赤羽周平監督(45)も「こんなに早くここまで来られるのは彼女のポテンシャル。(全日本で)キーになる選手です」と、勢いに期待を寄せている。

 高校3年後半から、大学入学後も負傷が相次いだ。同学年が主力として活躍するなど、完全に出遅れ。「もう頑張れないかも」。今年3月には約1か月、千葉県の実家に帰省した。ただ、いざ競技を離れると、走ることが好きだと気付いた。「辞めたら後悔する」。赤羽監督に「このままでは終われない」と伝え、チームに復帰した。

 気持ち先行から「監督に自分の状態をもっと素直に話すようにした。きつかったらきついってちゃんと言うし、(体に)気になる部分があったら隠さない」とと冷静に体と向き合うようになった。練習が継続してできるようになった鈴木の走力がメキメキ伸びると、チームに相乗効果をもたらした。「劇的に調子を取り戻していく優菜を見て感動した。気持ちが高ぶった」と同級生の白木ひなの。「ワクワクした気持ちで全日本を迎えられる」とする鈴木の台頭で、「本気で3位以内が狙える」と田代なのは主将(4年)。活気づく城西大が、全国の表彰台に返り咲く。(手島 莉子)

 ◆城西大 1965年創立。埼玉・坂戸市にキャンパスがある。女子駅伝部は89年に創部。全日本大学女子駅伝に90年に初出場し、95年以降は30年連続で出場を継続。98、2000年の2度優勝している。主なOGは08年北京五輪長距離代表で現コーチの赤羽有紀子さん。

ジャンルで探す