青学大の1区・鶴川正也「区間賞を取って優勝に貢献したいです」 出雲駅伝14日に号砲

出雲駅伝で青学大の1区を担う鶴川正也は前日練習で切れ味鋭い走りを見せた

 今季の学生3大駅伝開幕戦、出雲駅伝(島根・出雲市出雲大社正面鳥居前スタート、出雲ドーム前ゴール=6区間45・1キロ)は、14日午後1時5分にスタートする。レース前日の13日、出場チームは出雲市内の浜山公園陸上競技場などで最終調整した。

 6年ぶり5度目の優勝を狙う青学大は1区に絶好調の鶴川正也(4年)を投入。「区間賞を取ってチームにいい流れを呼び込みたい。優勝に貢献したいです」と鶴川は意欲的に話した。

 青学大はスピード区間の2区に野村昭夢(4年)、エース区間の3区に黒田朝日(3年)を起用。4区を宇田川瞬矢(3年)、5区を若林宏樹(4年)でつなぎ、最終6区は「駅伝男」の太田蒼生(4年)に託す。原晋監督(57)は「全員がいい状態です。みんな引き締まってイケメンになっていますよ」と、今年1月の第100回箱根駅伝から年度をまたいだ学生3大駅伝連勝に向けて自信と意欲を示した。

 2024年度シーズンの開幕戦で、青学大の「切り込み隊長」を任された鶴川は、学生ラストシーズンにかける意気込みは強い。熊本・九州学院3年時に全国高校駅伝「花の1区」(10キロ)で区間賞を獲得するなど世代トップレベルの選手として鳴り物入りで入学したがこれまで学生3大駅伝の出場は3年時の出雲駅伝6区8位だけ。青学大が大会新記録で2年ぶり7度目の優勝を飾った今年1月の第100回箱根駅伝では16人の登録メンバーから外れた。同3区で日本人歴代最高タイムで区間賞を獲得し、優勝に貢献した太田ら同期に比べ「昨年まで期待外れに終わっている」と自ら話す。「今年の箱根駅伝ではチームが勝ったことはうれしかったけど、自分自身は悔しい気持ちもありました」と正直に明かす。

 3年間の悔しさをぶつけ、4年目に本来の輝きを取り戻した。今季初戦の焼津みなとハーフマラソン(4月)では大会運営サイドのミスでコースが短くなるというアクシデントがあったが、1時間2分49秒の参考記録で優勝。関東学生対校選手権(5月)では2部5000メートルで優勝。一昨年、昨年と2年連続で日本人トップの3位だったが、ついに留学生に競り勝った。さらに日本選手権(6月)の5000メートルでは屋外レースとしては日本人学生歴代最高(当時)の13分18秒51で学生トップの4位となった。

 ただ、その後、9月に駒大のエース篠原倖太朗(4年)が5000メートルで鶴川を超える日本人最高記録の13分15秒70をマークした。鶴川は「篠原選手はやはり強いです」と駒大エースの実力に敬意を示した上で「駅伝では同じ区間で勝負したいですね」と直接対決を熱望した。

 昨年の出雲駅伝では直前に足を痛め、練習不足となったため、体重がベストから3~4キロも重い状態で出走し、区間8位に終わった。「今年は昨年のようなことはありません。昨日も今日も朝に軽く10キロ走っていますから」と引き締まった表情で話した。いよいよ、鶴川正也が学生駅伝でも本領発揮するか。出雲駅伝の見所のひとつになる。

 今季開幕戦の出雲は、前年覇者の駒大と箱根覇者の青学大を軸に、平林清澄(4年)を中心に勢いがある国学院大、前回2位の城西大、同5位の早大などが激しい優勝争いを展開しそうだ。

 青学大の区間登録は以下の通り。

1区( 8・0キロ)鶴川 正也(4年)

2区( 5・8キロ)野村 昭夢(4年)

3区( 8・5キロ)黒田 朝日(3年)

4区( 6・2キロ)宇田川瞬矢(3年)

5区( 6・4キロ)若林 宏樹(4年)

6区(10・2キロ)太田 蒼生(4年)

補欠        白石 光星(4年)

          塩出 翔太(3年)

ジャンルで探す