大の里が12勝目 大関昇進決定的 二所ノ関部屋入門後のスピード出世を振り返る

大の里

◆大相撲秋場所13日目(20日、東京・両国国技館)

 大関昇進を目指す関脇・大の里(二所ノ関)が、大関・琴桜(佐渡ケ嶽)に勝ち、12勝目で単独トップを守った。昇進目安は「三役で直近3場所33勝」。先々場所は12勝、先場所は9勝しており、目安の33勝にこの日、到達した。11連勝した18日には、昇進問題を預かる高田川審判部長(元関脇・安芸乃島)が「内容がいい」と好印象を述べていた。

 ◆大の里の入門後の歩み

 ▽2023年4月6日 母校・海洋高(新潟)で二所ノ関部屋入門会見。師匠・二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)も同席。日体大出身で2年連続のアマチュア横綱は「1日でも早く関取になって恩返ししたい」と意気込み。しこ名「大の里」を発表した。

 ▽同夏場所(幕下10枚目格付け出し)6勝1敗 3日目の二番相撲で西幕下10枚目・塚原(春日野)を押し出してプロ初白星。初日はまさかの黒星発進となっていたが「負けた分、楽になった。前評判で騒がれていたが、ただの人になった」と自然体で再出発し、勝ち越しにつなげた。

 ▽同名古屋場所(東幕下3枚目)4勝3敗 七番相撲でようやく勝ち越し。「ご飯も食べられなかった」と振り返ったが、最後に新十両昇進を引き寄せた。

 ▽同秋場所(東十両14枚目)12勝3敗 8日目に無傷で勝ち越し。新十両のストレート給金は2016年夏場所の佐藤(現貴景勝)以来だった。

 ▽同九州場所(東十両5枚目)11勝4敗 13日目に10勝到達。デビューから所要4場所での新入幕に前進して「2ケタはうれしい」と胸を張った。

 ▽14年初場所(西前頭15枚目)11勝4敗 千秋楽で玉鷲を引き落として11勝目。新入幕で敢闘賞を初受賞した。能登半島地震で被災した地元・石川を思い「みなさんに良い報告ができる」と振り返った。

 ▽同春場所(西前頭5枚目)11勝4敗 スピード出世ゆえにまげが結えず、ざんばら髪のまま千秋楽まで優勝争い。新入幕の尊富士(伊勢ケ浜)を1差で追っていたが、自身の取組前にV逸が決定。敢闘賞と技能賞をダブル受賞したが「うれしさよりも悔しさがある」と雪辱を誓う。

 ▽同夏場所(西小結)12勝3敗=優勝 幕下付け出しデビューから所要6場所での新三役は昭和以降2位の速さ。場所前の番付発表会見で初のまげ姿を披露した。2日目に黒星を喫したが、勢いは衰えず。千秋楽で阿炎(錣山)を押し出して12勝を挙げ、初賜杯を抱いた。初土俵から所要7場所での制覇は、幕下付け出しでは元横綱・輪島の15場所を更新する最速記録。付け出しを除いても、同年春場所の尊富士の10場所を上回った。

 ▽同名古屋場所(西関脇)9勝6敗 序盤5日間に3敗を喫するなど精彩を欠いた。それでも横綱・照ノ富士を破るなど9勝し、史上初の新入幕から4場所連続三賞となる殊勲賞を受賞した。大関取りをつなぎ、「来場所が大事」と気持ちを切り替えた。

 ▽同秋場所(西関脇)12勝=13日目終了現在 初日から11連勝。12日目は敗れたが、13日目には大関・琴桜(佐渡ケ嶽)を破った。

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