非正規雇用の中で生まれた「ヌシ」ポジションの人。仕事を仕切ると言っても、結局は「仲良しハーレム」作りに見えて
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勤務先での出来事
仕事はいわゆる非正規の身分です。かといって、正社員の人たちから見下されているということはそこまで感じません。むしろ割合気遣ってもらっている気さえします。
勤務先では、従業員の多数が非正規です。人間関係が面倒くさいのはどの会社でも起こりえることでしょうが、このような会社でもまたしかりです。
非正規従業員は権限が限られており、正社員のような人事の権限も、仕事の割り振りについての裁量もほぼありません。知識が与えられていないということでもありますし、またそもそも興味が無い人も多いでしょう。限られた責任の中で働きたいという意志なので、なにか問題があるわけではありません。
大きな責任を負いたくないことは割り当てられた仕事を怠けることとは違います。分かりやすい仕事の範囲は、きちんとこなすのです。
非正規の中から生まれたヌシ
一方で正社員はコロコロ配置転換で変わり、現場を知らないことも多いです。
すると、非正規の中で、正社員よりも現場に詳しい人間が多くなっていきます。現場は非正規に丸投げ状態になりますが、それでもそれなりに仕上がります。
ある程度見回りをして監督してくれる正社員もいるのですが、放置する人も多いのです。なまじある程度の仕事の水準は満たしてしまうからです。
そんな中、私の職場では、非正規の中からヌシが生まれてきました。自分が頼りない社員より、よく仕事のことを知っていると自負しています。
しかし仕事を仕切るといっても、個人的な近所付き合いのような人間関係です。権限がないため人と人の組み合わせ、仕事の割り振りなどから作業工程を見直したりはできないので、結局根性論になりました。
さらに身もふたもないことを言えば、自分の言うとおりになるか、自分の好みにかなうかが物差しになりました。仕事場を「自分を中心とした仲良しハーレム」にしようと思っているようです。
06/30 12:30
婦人公論.jp