84歳のプロゴルファー・古市忠夫「ドライバーは今も200ヤードオーバー」12歳のプレーから「ときめき」を

 

 20代のころのようには動けない、それでも――。たくさん失敗した経験があるから、若い人よりできることがある。現役最年長アスリートに聞く「成長し続けられる秘密」とは!?

 

「阪神・淡路大震災のあと、一時期すごく落ち込みましてね。ラジオで『金を失うのは小さく、名誉を失うのは大きい。しかし、勇気を失うことはすべてを失うことである』という言葉を知って以来、勇気について考えているんです」

 

 

 11月7日におこなわれた「香川県オープンゴルフ選手権」一日め。プロ81人とアマチュア72人が出場したなかで、最年長だったのが古市忠夫(84)だ。

 

「僕の前にまわっていたのは、12歳の小学生でした。72歳違うと距離も負けますけど、同じ場所におれることで、年齢なんて関係ないっていう、ときめいた気持ちを味わいました」

 

 このときはエージシュート(18ホールを、自身の年齢以下の打数でまわること)を達成。今もドライバーは200ヤードオーバーだという。

 

「いまの練習は週に3~4回、1回100球までと決めてるんです。本当はもっとやりたいねんけど、90歳、100歳になってもゴルフを続けていたいからね。そのときに『最年長』と言われたら嬉しいけど、今は若造もええとこです」

 

 震災で、古市が経営するカメラ店は全焼している。一念発起し、PGA(日本プロゴルフ協会)のプロテストに合格したのは2000年。59歳だった。

 

「今でも皆さんのお陰だと思って、『ありがとう』と言いながらラウンドしていますよ。OB打っても笑顔です」

 

 古市の勇気ある挑戦は、これからも続く。

 

ふるいちただお
1940年生まれ 兵庫県出身 2002年の「関西プロゴルフグランドシニア選手権大会」をはじめ計10勝。今年9月の「日本プロゴルフグランド・ゴールドシニア選手権」にも出場

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