ドジャース、連覇に向けて “273億円” 巨額移籍成立も…物議かもす「ルールの抜け穴」金満球団だけが強くなる理不尽
来季ドジャースは、新たな壁にチャレンジすることになる。それは、ワールドシリーズ(WS)連覇という、とてつもなく高い壁だ。
FA権取得までの期間が6年と短いため、選手間の “移動” は頻繁におこなわれる。そのため、たとえ今年WSを制覇したとしても、来年はまったく別のチームになってしまった、ということはよくある。だから連覇は難しいのだ。
メジャーリーグで連覇したチームは、1998年から2000年に3連覇したヤンキースが最後。21世紀に入ってから達成したチームは皆無だ。
しかし、連覇に向けて、ド軍は準備万端のようだ。日本時間11月27日には、これまで2度のサイ・ヤング賞左腕のブレーク・スネル(ジイアンツFA)を5年総額1億8200万ドルで獲得した。日本円に換算すれば、273億円超に及ぶ巨額の移籍が成立したのだ。
11月30日には、攻守でWS制覇に貢献したユーティリティーのトミー・エドマンを、5年総額で100億円を超える7400万ドルで放出を防いでいる。
この両選手に共通しているのは、額の差こそあれ、年俸などの支払いが後払いになることだ。
「後払いにする理由は、全30球団の戦力均等化を目的に取り入れられた “ぜいたく税” 対策にあります。年俸総額が一定の金額を超えると、メジャーでは “ぜいたく税” が適用されてしまうのです。
年俸を後払いにすることで、現時点でのチームの年俸総額を抑え、税適用を回避できる。一括で年俸を支払ったら発生したはずの “ぜいたく税” ぶんのお金を、選手補強のために使えるのです。
大谷も、昨オフに10年総額7億ドル(当時のルートで約1015億円)の契約を結びましたが、そのうち97%を契約終了時の2034年から後払いする契約になっています。
現地では、スネルは6200万ドル(約93億6000万円)が、エドマンも2500万ドル(約37億3000万円)が後払いになっていると報道されています。
さらに、フレディ・フリーマン一塁手、ムーキー・ベッツ外野手、テオスカー・ヘルナンデス外野手も後払いで、すべての選手をあわせると、後払い総額は1400億円以上と見られます」(現地記者)
後払い方式は「すばらしい財務戦略」と評価される一方で、「納得できない」という声もあがり始めたという。
「ド軍は運営費に余裕があるから1400億円以上の後払いができるのであって、ほとんどの球団には無理な話です。MLBは戦力均等化を目指して “ぜいたく税” を導入したはずなのに、後払いが続くなら、“金満球団” だけが強くなっていくというのが、反対派の意見です」(同)
後払いは、ルール上認められていることだが、あくまで「ルールの抜け穴」ということなのだろう。今後、話し合いの余地が出てくることだろう。
12/02 10:15
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