「もうかかわらないで」DeNA、バウアー再獲得に熱望もファンが忘れぬ事故犠牲者遺族への「感情逆なで」失言

 

 横浜DeNAが、セ・リーグ3位からの下剋上によって26年ぶりに日本一に輝いたのは、11月3日のことだった。

 

 その試合で、横浜投手陣の2番手としてマウンドに立ち、1回を無安打1奪三振と、完璧なリリーフぶりを発揮したのが浜口遥大(はるひろ)投手。彼が契約交渉の場に臨んだのは、その登板から1日しかたっていない11月4日だった。前夜の美酒が残っているなかでの交渉だったかもしれない。

 

 

 それほどまで、横浜の来季に向けての始動は早かった。戦力補強面でもそうだ。その第1弾は、ことのほか大物――2023年途中に横浜に入団し、10勝をあげたトレバー・バウアー投手だった。

 

 バウアーは横浜が日本シリーズに進出すると、祝福のメッセージを贈るなど、いまも球団とは良好な関係を築いている。

 

「女性へのDV問題でメジャーを追われましたが、2020年にサイ・ヤング賞を受賞した実力は本物です。横浜でもローテーションの軸として活躍したばかりでなく、野球への取り組み方は、まさにお手本のような存在でした。教えを乞いたい若手が、いつも彼のまわりに集まっていたほどでした。

 

 昨オフの2023年12月1日に自由契約となり、翌年3月にメキシカンリーグチームへの入団が発表されました。こうして、残念ながら今季は横浜でプレーすることはかないませんでしたが、横浜はあきらめていませんでした。

 

バウアー獲得に尽力した萩原龍大チーム統括本部長は『もし彼が日本球界に復帰するならば、我々が候補の一番手』と自信を持っているといいます。今後は、萩原統括本部長を中心に復帰の交渉をしていくと思います」(横浜担当記者)

 

 今季はメキシカンリーグで10勝0敗、防御率2.48と実力は錆びついていない。来季こそペナントでセ・リーグを制し、そして日本一連覇を目指すためには、補強の目玉になることは間違いない。

 

 ところが、バウアー復帰に反対する人たちがいる。何を隠そう、横浜ファンの面々だ。

 

「というのも、1月に彼は、ある炎上騒動を起こしているんです。

 

 2021年、静岡で車が駐車場に突っ込み、男女2人が死亡するという痛ましい事故がありました。運転していたのは、米海軍のリッジ・アルコニス受刑者でした。判決は禁固3年の実刑だったものの、横須賀刑務所に収容されたのち、バイデン政権によって米国への移送が決定しました。そして2024年、米本国で仮釈放が認められたのです。

 

 バウアー選手は、彼の仮釈放が報じられると、自身のInstagramに『Welcome home Ridge!(おかえり、リッジ!)』と投稿したのです。アルコニス受刑者とバウアー選手は知人だったようですが、遺族の感情を逆なですると、ネット上で猛批判を浴びました」(スポーツ誌記者)

 

 Xでは当時、怒りのメッセージが殺到する事態となった。バウアーは自身のYouTubeのコメント欄におわびの文言を載せたが、後の祭り。Xを見ると、いまもそのときの怒りが続いている横浜ファンは多いようである。

 

《バウアーいらないね》

 

《バウアー、コメントとかいらないから、もう関わらないで欲しい。リッジアルコニスの件、永遠に忘れんからな》

 

《バウアーなんて入れてもいざこざが起きるだけなんでいらない》

 

 せっかくの日本一の直後に、早くも新たな火種がくすぶり始めている横浜DeNA。ファンの熱を来季までつなぐことができるだろうか。

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