田中将大 茶髪&襟足“イメチェン”好投も遠い1軍…楽天・今江監督が昇格させない背景に“抑えられた過去”

9月13日に登板した田中将大(写真・時事通信)

 

 楽天・田中将大が1軍初昇格をかけてイースタンリーグの日ハム戦に先発したのは、9月13日のことだった。

 

 もともとは9月4日のイースタン、DeNA戦で6回途中2失点と試合を作ったことから、今季初めて1軍に昇格するとみられていた。ところがこの結果も今江敏晃監督の目には不十分と映ったのか、「(次の)登板を見てから、しっかりまた精査して判断したい」と昇格に待ったをかけた。

 

 そのコメント通り、13日に今江監督は渡辺ヘッドコーチとともに球場を訪れた。

 

 そのなかで田中は、以前よりサイドの髪が伸び、しかも茶髪とイメチェンした姿で力投。今季最長の7回を投げ、7安打、3奪三振、3失点(自責点2)。一つのバロメーターとなる直球の最速は、146キロを記録した。まさに、遅まきながら復活の狼煙を上げたように見えた。

 

 

 だが、力投から1週間近くたった今も、「1軍昇格」の声は聞こえてこない。なぜか?

 

「皮肉にも、田中を視察した翌日の試合で楽天は勝ったんですが、首位のソフトバンクも勝ったため、今季の優勝は完全に消滅しました。ただ、ロッテには勝率でわずかに上回り、クライマックスシリーズ(CS)進出の条件となる3位につけています。しかも、残り試合はロッテより5試合も多く、一戦必勝の状況は続きます。その意味でも、一人でも多く、先発としてクオリティスタート(6回を3点以内)を計算できる投手は欲しいところですね。

 

 もし1軍の残り試合がCS進出も閉ざされた消化試合なら、すぐにでも昇格させていたでしょう。でも、CSに向けて“負けられない試合”が続くため、今江監督も上げられないのでしょう。

 

 実は今江監督はロッテ時代、田中と多く対戦しています。通算成績は63打数13安打、打率.210、14三振、本塁打ゼロに抑えられています。田中には相当やられていたんですね(笑)。

 

 言い換えれば今江監督は、誰よりも田中の全盛期を知っている。もちろんその頃よりは田中の実力は落ちていますが、それを差し引いても、今の田中が本来の姿と程遠いことは、“カモられていた”今江監督が一番よく知っているでしょう。だから、田中を1軍で投げさせることは難しい、と思っているようです」

 

 年俸2億6000万円の男が、シーズン未登板という球界初の屈辱に追い込まれている。

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