安樂智大がメキシコで “胴上げ投手” に…日本の6分の1の低年俸でも、1年耐えれば日本球界復帰の可能性も
後輩投手らへのパワハラで日本球界を追われた元楽天の安樂智大投手が、一転、メキシコ球界で胴上げ投手になっていた。
2024年9月10日、メキシカンリーグのメキシコシティ・レッドデビルズが、リーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボール(LMB)の優勝決定戦でモンテレイ・サルタンズに4対2で勝ち、通算4勝0敗のスイープでメキシコ王者に輝いた。
8月4日に始まったメキシコリーグのポストシーズンで、安樂所属のレッドデビルズは順調に勝ち上がり、2014年以来、最多更新となる17回めのシリーズ優勝を果たした。安樂も中継ぎ、抑えとフル回転。13試合に登板し、投球回数は13回。0勝0敗ながら4ホールド、2セーブ。防御率も1.38と安定感抜群の投球を見せた。
優勝を決めたサルタンズとの第4戦、4点リードの9回に登板。2点を奪われたものの、最後まで投げ切り、胴上げ投手となった安樂。また、シーズンでは47試合に登板し、1勝2敗4セーブ、20ホールドで防御率は3.50。ブルペン陣のリーダー格として活躍し、南地区優勝に貢献。また球宴にも出場した。
チームメイトには、ドジャース時代の2021年に女性から強姦の告発を受け、制限リスト入りした元横浜DeNAのトレバー・バウアー投手も在籍している(その後、証拠不十分として不起訴)。
こちらはシーズン14試合に登板し、10勝0敗、防御率2.48。ポストシーズンでも5試合に登板し3勝1敗、防御率1.67と、サイ・ヤング賞を思わせる活躍を見せた。
気になるのは、メキシコリーグで胴上げ投手となった安樂の今後である。メキシコリーグに詳しい野球ライターが語る。
「じつは2023年に退団を余儀なくされた際、自分がまいた種とはいえ、楽天を退団することに大きな不満を持っていたといいます。
そのため、もし野球ができなくなったら、球界の暴露話など何をしでかすかわからない、と心配していた楽天関係者もいたと聞いています。
それが、メキシコリーグに入団できたこと、さらにいいシーズンを送ったということで、現在は楽天関係者も安心しているようです。
ただし、メキシコリーグの給与に関しては日本のそれから見れば大きく劣ります。安樂は2022年の年俸4000万円(金額は推定)が最高で、昨季も3700万円と特別な高給取りではありません。しかし、メキシコリーグでは、月にどんなに多くても100万円ほどだと聞いています。
しかも4月に始まって9月に終わるシーズンですから、600万円程度です。日本と比べれば相当低いわけですから、日本に帰ってきたいと考えるのが自然でしょう。
また、『メキシコ経由でメジャー入り』という道がありますが、最近のメジャーはパワハラや女性へのDVにはとりわけ厳しい姿勢で臨んでいて、安樂にとってメジャー行きは現実的ではないでしょう。今季、バウアーが圧倒的な成績を残しながら、メジャーから声がかからないことが証明しています」
では、もう1年メキシコにとどまるのか。
「それがいちばん現実的で、もう1年 “禊” となれば、日本球界復帰の道も開けるのではないでしょうか」(同)
1996年11月4日生まれの安樂は27歳。残された時間は、まだある。
09/11 05:20
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