「ダメだこりゃと寝てしまった」なでしこジャパン、スペインに逆転負けも内容は「完敗」ため息やまぬサポーター
2012年のロンドン五輪で獲得した、銀メダル以上の成績を目指してパリ五輪に挑んだ、サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」。初戦は7月25日、FIFAランク1位で2023年W杯女王のスペインに挑んだが、1-2の逆転負けを喫した。
立ち上がり、日本に先にチャンスが訪れた。20歳のMF藤野あおばが中央やや左を抜け出すと、左足一閃。シュートはスペインGKのビッグセーブにあったが、得点を予感させるに十分な攻撃だった。迎えた前半13分。ゴールやや右の位置でFKを得た日本は、またも藤野が鋭く右足を振りぬく。曲がり落ちる藤野のFKは、ゴール右サイド上に吸い込まれた。まさに男子顔負けのFKだった。
スペインとの一戦は、2023年のW杯以来のこと。グループリーグで当たったが、ボール支配率で圧倒された。それでも、鋭いカウンターが次々に決まり、終わってみれば4-0の快勝だった。パリ五輪前、司令塔の長谷川唯はその一戦を引き合いに出し、「W杯がそうだったように、パリ五輪でもスペインにボールを持たれる時間は長くなると思います。でも、W杯のときのように、数少ないチャンスをものにして勝ち切りたい」と語っていた。
なでしこサポーターは、長谷川の言葉を信じたかった。しかし、W杯から1年後の、スペインの成長は想像以上。残り77分間、なでしこジャパンはスペインに一方的に攻められた。
ダイレクト、ツータッチとタッチ数の少ないショートパスを回され、その連続本数は20を超えることも。なでしこがやっとボールを奪っても、つながるパスの本数はせいぜい2本。その後はまたパスを20本続けられ、奪って数本のパスで失うことの繰り返し。失点は時間の問題だった。
案の定、前半40分と後半29分に失点し、1-2の逆転負け。五輪初戦の負けは、1996年のアトランタ五輪でドイツに2-3で敗れて以来のことだった。
今回も、点差はわずか1点だが、チームとしても個人としても、スペインとの差は明らか。なにより、試合終了後にベンチに引き上げる選手たちの表情が、絶望感を表わしていた。
Xを見ても、絶望的なコメントが続く。
《スペインに完敗!スペインのパス回しの上手さが際立った試合に。日本はスペインボールを中々奪えず、走らされ体力消耗。逆に日本はボールをキープできない。縦パス一本では勝利は困難で、リードされた時点で勝利の芽はほ無くなった》
《昨日の女子サッカーは2点目を取られた時点でダメだこりゃと思って寝てしまったけど、スペインの作戦に嵌まったかな》
《うーん完敗ですな… 点差以上に実力差あったな FKで1点とった以外何にも出来なかった 全ての面においてスペインの方が上だった》
内容を見れば、これらのコメントも致し方ないとわかる。日本はまさにお手上げだった。
試合後、主将の熊谷紗希は「もう悔やんでいる暇はないので、次に向けてなんとしても勝ち点を取りにいく」と次戦、7月29日のブラジル戦に向けて前を向いた。
ただ、その言葉を素直に受け取れない部分がある。テストマッチで負傷した左の北川ひかるはメンバーから外れ、スペイン戦でひざを負傷した右の清水梨紗は担架で運ばれた。開幕早々、なでしこジャパンは攻守の強みであった左右のサイドバックを失うかもしれない事態だ。金メダル獲得どころか、予選リーグ敗退の大ピンチとなっている。
07/26 11:35
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