大谷翔平「二刀流のライバル」は “両投げ” の21歳!現地でも「オオタニの才能をしのぐかも」と話題に

オールスターに出場した大谷翔平(写真・AP/アフロ)

 

 7月16日(現地時間)、大谷翔平が、初のオールスターでのホームランを放った。大谷も球宴を楽しんだようで、自身のインスタグラムに「本当に素敵な思い出をありがとう」と英語で投稿している。

 

 一方、大谷を今後脅かす存在は、大谷の球宴初ホームランの前日に明らかになった。オールスターに先立っておこなわれるメジャーリーグのドラフト会議でのことだ。

 

 

 米テキサス州フォートワースで開催された会議で、ひときわ注目されたのが、マリナーズの1巡目、全体15位で指名されたミシシッピ州立大2年生のジュランジェロ・サインチェ投手(21)だ。

 

 サインチェは野球の盛んなオランダ領キュラソーで育ち、米フロリダ州のシャンパーナ・カトリック高校時代から “両投げ投手” として有名だった。MLB公式サイトによれば、もともとは左利きだが、オランダでプロとしてプレーしていた父をマネるため、6歳のときに右でも投げ始めたという。

 

 その才能はまたたく間に開花し、高校卒業時の2022年ドラフトでもブルワーズから18巡目指名を受けた。このときは指名を蹴って、ミシシッピ州立大に進学。そして大学2年目の今季16試合に先発し、8勝2敗、防御率3.67の成績を残したことで、今回の2度めの指名につながった。

 

 会場にいて、指名を受けた瞬間にほっとした表情を見せたサインチェは、「メジャーでも両投げを続けたいか?」と問われ、「両方で投げ続けるよ」と力強く言い切った。

 

 長いメジャーリーグの歴史のなかでも、“両投げ投手” は19世紀に4人、1901年以降も2人しか公式戦での登板はない。どうしても投げ方や球速が違ってしまうためか、両投げで活躍した投手はいない。

 

 日本でも1987年にドラフト外で南海ホークス(当時)に入団した近田豊年がいるが、実質1軍でプレーしたのは1年間で1試合だけ、登板も右のみだった。

 

「しかし、サインチェ選手には初の成功者になりうる才能がありますよ。自身で『右のほうが球速が出る』と語っているように、右は常時94~96マイル(約151.3~154.5キロ)をマークし、最速は99マイル(約159.32キロ)にも達するというんです」(スポーツ担当記者)

 

 しかも、左でも95マイル(152.88キロ)を投げることができる。また、右よりも少し低いリリースポイントから繰り出されるスイーパーは曲がりが大きく、左打者にとっては厄介な球となるだろう。

 

「“投打二刀流” は大谷翔平が、“野球とアメフトの二刀流” はボー・ジャクソンが、その道を開拓しましたが、“両投げの二刀流” での成功者はいまだ一人もいません。

 

 それだけに期待は大きいし、『オオタニの才能をしのぐかもしれない』と、アメリカ国内では話題となっています。また、左右それほど球速が変わらない点も、評価を高める結果につながっています」(現地記者)

 

 無限の可能性を秘め、大谷を脅かす「二刀流のライバル」になるかもしれないサインチェ。ちなみにMLB公式サイトによれば、字を書くときは右で、何かをつまむときは左だという。

ジャンルで探す