英国人が見たサッカー日本代表対インドネシア戦「冨安健洋は間違いなく…」「プレミアで見たいのは…」「ゴールラッシュは夢?」

【写真:Getty Images】

●「インドネシアは100回対戦すれば99回勝てるかもしれませんが…」

 日本代表は24日、AFCアジアカップカタール2023・グループリーグD組第3節でインドネシア代表に3-1で勝利し、グループ2位で決勝トーナメント進出を決めた。この一戦について、日本サッカーに精通するイングランド人ライターのショーン・キャロル氏に随時話を聞いた。(語り手:ショーン・キャロル)

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――本日もよろしくお願いします。日本代表は第2戦から先発メンバーを入れ替えました。GK鈴木彩艶、MF遠藤航、MF久保建英以外の8人を先発起用し、7人が今大会初先発になりました。

「変更については非常にいいと思います。最初の2試合で少し苦戦した選手は休ませて、フレッシュでハングリーな選手を使うことで、チームにいい影響を与えると思います」

――普段通りの力を発揮できれば、勝利することは決して難しくないと思いますが、イラク代表戦のように苦戦する可能性もあります。

「立ち上がりからファイトする姿勢を見せないといけないと思います。勝ちたい気持ちをボールを保持するときも、非保持のときも。インドネシアは100回対戦すれば99回勝てるかもしれませんが、今日がその1つにならないように、絶対に勝ちたいんだという気持ちを見せないと!」

――イラク代表戦ほどではありませんが、インドネシア代表も声援を送っているサポーターは多いので、アウェイの雰囲気になりそうです。

「だからこそファイトの姿勢が重要です。その雰囲気に負けられません」

――日本代表は遠藤をアンカーに置く4-1-4-1の布陣です。久保と旗手怜央がインサイドハーフ、堂安律が右サイドに入ります。

「積極的な変更ですね」

――上田綺世がボックス内で倒されましたがノーファウルの判定でした。いや、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)がチェックしていますね…。

「絶対にPKだと思います」

――主審がOFR(オン・フィールド・レビュー)を行い、日本代表にPKが与えられました。

「キッカーは誰かな?」

――背番号9。上田綺世がスポットに立ちました。

「頼みます! 完璧なPKですね。キーパーもコースは合っていたけど、シュートが強くて止められなかった」

●「堂安律はプレミアリーグで活躍できる」

――日本代表が先制に成功しました。ただ、先制した後が大切だということを、日本代表はベトナム戦で学んでいます。

「その通りですね。ナカムリッシュ(中村敬斗)、久保、堂安にはカウンターから追加点を取ってほしい!」

――インドネシア代表にはロングスローという武器があります。

「元東京ヴェルディのアルハンですね。武器になるかもしれません」

――15分が経ちました。ここまではほとんどの時間を日本代表が敵陣でプレーしています。攻守の切り替えも速いですね。イラク戦やベトナム戦ではカウンターを受けるシーンが目立ちましたが、ここまではほとんどありません。

「そうですね。最初のホイッスルから主導権を握って、完全に試合の流れをコントロールしています。守備の組織もよさそうなので、できるだけ早く2点目が欲しいです!」

――惜しいチャンスがありましたが、久保の右足のシュートは外れました。

「惜しかったです。このチャンスは堂安のプレッシングから生まれました。堂安は好きな選手ですね。守備も攻撃も常に100%を出してくれるタイプ。どのチームもああいう選手が欲しいですし、プレミアリーグでも活躍できると思う。イングランドのサポーターからの人気も得られると思います!」

――ここまで25分でシュートはわずか3本です。

「それは困りますね。インドネシアもいいサッカーをしています。いいビルドアップを見せました。技術がある選手がたくさんいるので、日本代表は気をつけないといけない」

――日本代表は前半のうちに2-0、3-0にしたいはずです。

「あるいは4-0や5-0(笑)」

――立て続けに決定的なシュートがありましたが、決まらず…。

「惜しいですね。アプローチは非常に良かったです。今度こそ決めきらないといけない」
「少し心配ですね…。2023年のゴールラッシュは夢だった!?(笑)」

――2024年の分も2023年に取ってしまったのかもしれません(笑)

「それ言わないで!」

●「ほっとしましたね(笑)」

――前半は1-0で終了しました。組織的なサッカーでチャンスも作りましたが、1点のみでしたね。

「ほぼゲームをコントロールしていましたが、1-0だったことは少し心配です。インドネシアにはいい選手もいるし、チャンスがあれば同点にする力はあります。その可能性はゼロじゃない」

――日本代表の1点はPKだったので、流れの中から決めることはできませんでした。何が足りないのでしょうか。

「どうだろうね。冷静さが足りなかったときもあったが、不運もありました。ナカムリッシュのポストに当たったシュートとかね。チャンスは来るので、ベトナム戦の南野(拓実)のように落ち着くことが大切です。それに加えて運です!」

――我慢強く攻め続けることが大切ですね。前半で特に良かったのは誰でしょうか。

「毎熊晟矢ですね。右サイドで堂安との連係もよく、守備も攻撃も安定しています」

――後半がスタートしました。インドネシアがアグレッシブに出てきました。

「日本がベトナム戦もイラク戦も苦しい時間を過ごしたので、インドネシアは1-0のままならチャンスがあると信じていると思います」

――インドネシアのシン・テヨン監督にイエローカードです。何がありましたか。

「少し不明ですね…」

――きれいな崩し! 堂安→中村→上田の流れから追加点です!

「ほっとしましたね(笑)」

――GK鈴木から堂安にロングパスが通りましたが、ゴールは決まらず…。

「惜しかったけど、攻撃はどんどん機能してきていると思います」

――インドネシアも攻めないといけないので、スペースが生まれていますね。

「そうですね。そのスペースを活かしたいです!」

●「インドネシアの4番はイライラしているみたい」

――60分が過ぎました。そろそろ交代もありそうですね。

「そうですね。でもラウンド16まで1週間あるので、そんなに休ませる必要はないですね」

――堂安にチャンスがありましたが、ループシュートは外れました…。

「いい狙いでした。チャンスが続いていますね。インドネシアは少しバラバラになっているみたい」

――この時間で決めたいですね。

「ゲームを締めたいですね」

――旗手→南野、中村→前田大然に交代です。前田が左に入るでしょうか。

「積極的なチェンジですね!」

――南野と久保がインサイドハーフですから、攻撃的なメッセージを感じます。

「ゴールラッシュを取り戻したいですね!」

――すぐにチャンスがきましたが、久保のパスは前に通らず…。

「チャンスでしたね」

――ちょっとピンチになりそうな場面がいくつか増えましたね。

「そうですね。流れはよりオープンになっています」

――ちょっと危険なファウルも増えてきました。

「インドネシアの4番はイライラしているみたい」

――インドネシアに連続でイエローカードが出されました。

「怪我しないように気をつけてほしいですね」

●「冨安健洋は間違いなく…」

――渡辺剛と佐野海舟が入りそうです。

「ということは、まだ出ていないフィールドプレーヤーは7番(三笘薫)だけかな?」

――そうですね。7番を早く見たいですね。

「本当に見たいです!」

――冨安が下がりますね。今日の冨安はどうでしたか?

「間違いなくチームの力になっていました。吉田麻也に続く、ディフェンスリーダーですね」

――日本に3点目が入りました! これは上田のゴールですかね? そうなるとハットトリックです!

「どうですかね…。オウンゴールになるかもしれません。オフサイドは…なかった。3-0はゴールラッシュと言っていいかな?」

――公式記録はオウンゴールですね。上田のハットトリックならず…。

「上田にとっては残念ですが、ゴールはゴールですね」

――ロングスローから失点してしまいました…。

「本当に残念ですね。0に抑えたかったです」

――3-1で勝利しました。改めて今日良かったところや改善されたところは何でしょうか? メンバー変更は成功だったと思いますが。

「成功でしたね! 収穫はゲーム全体をコントロールしたことですね。最後の失点以外、ディフェンスも安定していたし、攻撃面ではいくつかチャンスがありました。課題は決定力と最後の最後までの我慢強さ。失点した時に少し集中を切らしてしまいましたね」

――本日もありがとうございました。

ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「ニッポンとサッカー 英国人記者の取材録」の筆者。「Jリーグ Monthly」のレギュラー出演。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーやNHK、J SportsなどのJリーグ番組出演も。

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