元仏代表ヴァルブエナ、恐喝被害のスキャンダルを回想「今となっては誰のことも恨んでいない」

マテュー・ヴァルブエナ

 アテネ・カリテア(ギリシャ1部)に所属するマテュー・ヴァルブエナが、過去のスキャンダルを振り返った。11日、フランス紙『レキップ』が伝えた。

 現在40歳のヴァルブエナは、マルセイユなどで活躍し、フランス代表では通算52キャップを刻んだ。しかし、2015年秋、代表で同僚だったFWカリム・ベンゼマらから“セックステープ”をネタに恐喝される前代未聞のスキャンダルが勃発。ヴァルブエナはベンゼマともに代表から遠ざかり、2017年夏にリヨンを退団してからはフェネルバフチェやオリンピアコス、アポロン・リマソール(キプロス)を渡り歩いた。

『レキップ』紙のインタビューで自身のスキャンダルに改めて言及したヴァルブエナは、「僕は少し忘れ去られる必要があった。フランスでは標的にされ、どのスタジアムでも口笛を吹かれた。フランスを去ることで、新しい人生が始まった」とスキャンダル以降、自身もフランス国内での居場所をなくしていたと告白。「海外では、スポーツ以外の話題は気にされない。僕はバカなことをした。キャリアというものは、人生と同じように、長く滑らかな川ではない。僕のは完璧な例だが、それは多くのことを教えてくれた。打撃によって前に進むことができる。それが鋼鉄の心を作るんだ」と、騒動から多くの教訓を得たと明かした。

「キャリア最悪の瞬間だった。僕にとってフランス代表はすべてを象徴していた。長い間、悲しかった。今となっては、誰のことも恨んでいない。平穏だ。少し前にディディエ(デシャン)に会った。サッカーのこと、いろいろなことを話したし、彼は僕に会えてとても喜んでくれたよ」

「自分のキャリアの中で、少し傲慢になったり、自分のことで精一杯になったりすることがあった。サッカーの世界では、時折そうならざるを得ない。僕たちは弱肉強食の世界で、大きな個性が揃ったドレッシングルームで暮らしている。ある時点で、大きな個性を持たなければならない。そうでなくても、そうならなければならない」

「フランスでは、一度レッテルを貼られると、それを剥がすのは難しい。僕には客観性が欠けていた。僕のキャリアは、同じアマチュア出身のジルーやリベリのように評価されたかもしれない。海外では、そのすべてをもっと尊重するんだ」

 ギリシャの昇格組で現役続行の道を選んだヴァルブエナは、「年齢はただの数字。肉体的、精神的な楽しみはまだある。試合前のアドレナリンという小さなものを常に持っているから、できるだけ喜びを長持ちさせるんだ。ピッチに何も持ってこられなくなった時がやめ時だ」と現役続行に意欲を示している。

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