元日本代表MF水野晃樹が引退発表 千葉などでプレー「21年間に後悔はないと言ったら嘘になるけど…」

水野晃樹

 いわてグルージャ盛岡は29日、元日本代表MF水野晃樹が2024シーズン限りで現役を引退すると発表した。

 現在39歳の水野は、2004年にジェフユナイテッド千葉でデビューを飾り、2005年と2006年のリーグカップ連覇に貢献。2007年には千葉時代の恩師イビチャ・オシム氏の指揮下でA代表デビューも果たした。2008年1月からはスコットランドの名門セルティックでプレーしたが、ひざ手術の影響で思うように出場機会を得られなかった。

 2010年夏に加入した柏レイソルでもケガに泣かされたが、2011年にJ1リーグ優勝と2012年に天皇杯優勝を経験。その後はヴァンフォーレ甲府や千葉、ベガルタ仙台、サガン鳥栖、ロアッソ熊本、SC相模原を渡り歩き、関東サッカーリーグの厚木はやぶさFCでのプレーも経験した。2023年1月から岩手に加入し、2024明治安田J3リーグはここまで7試合に出場している。

 水野は発表に際し、岩手のクラブ公式サイトを通じて長文のコメントを掲載。ケガに泣かされたキャリアへの後悔を明かしつつ、自身を支えた周りの人々への感謝を綴った。

「日頃から応援してくれているみなさんに報告があります。2024シーズンでプロサッカー選手、水野晃樹は引退することを決断いたしました」

「3歳から地元清水のサッカーチームでサッカーを始め、小学2年生の時にJリーグが開幕して以来、将来の夢は!目標は!『Jリーガー』。どんなに苦しくてもどんなに挫折しても血反吐を吐いてぶっ倒れても、この夢は一瞬たりともブレることはなく、必死に追い続けてきました」

「そこからジェフユナイテッド市原、セルティック、柏レイソルヴァンフォーレ甲府ジェフユナイテッド千葉ベガルタ仙台サガン鳥栖ロアッソ熊本、SC相模原そして、社会人を経て、いわてグルージャ盛岡。正直こんないろんなチームに行くとは思っていなかったです(笑)しかし、どのチームでも素敵な出会いがあり、素晴らしいクラブでありどのチームも愛しています。どんな時でも背中を押してくれるサポーター。時には厳しい叱咤激励。どれもが愛を感じました」

「ありがたいことに世代別代表、A代表でもプレーさせてもらい、海外も経験しました。そして国内ではジェフ時代にジェフにとっての初タイトル。ナビスコ杯優勝。翌年にはナビスコ杯連覇。みんなのおかげでMVPも受賞できました。セルティックでもリーグ優勝、スコティッシュ杯優勝。レイソルではJ2優勝&昇格、翌年J1優勝。翌年天皇杯優勝。SC相模原でJ3昇格。あの最高の光景を忘れることは出来ないし、あの光景をまた見たいと常に思っていました。タイトルはたくさん取らせていただいたけど、どれも満足するような活躍は出来ませんでした。ただただ周りの方々に恵まれたと思います。でも21年間は長いようだけど今となってはあっという間に感じます」

「サッカーが本当に大好きで負けず嫌いな子供。『サッカー小僧』。水野晃樹という選手をよく知ってる人はこの言葉がよく似合うと思ってくれてると思います。39歳になった今でもサッカーが大好きで試合に出れなければ悔しくて仕方ない。プロ1年目の時はよく泣いていて『泣き虫小僧』とも言われていました。でもそのくらい毎日が勝負で毎試合が人生を左右する仕事。膝の手術5回。契約満了6回。紆余曲折。波乱万丈。忙しなく過ぎていった21年間、活躍出来たのは4.5年だけかな?でも諦めず努力すれば必ず道は開ける!21年間に後悔はないと言ったら嘘になるけど、本当に憧れていたものから憧れられる存在になれた事、そしてたくさんの人にサッカーの素晴らしさを伝えられていたら幸いです」

「サポーターの方々にはたくさん期待を裏切ってしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです。再起を信じてどこに行っても応援してくれるサポーターの方々には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。その恩返しはプレーでと何度も言っていたにも関わらずなかなか結果が出せない自分に苛立ちを何度も何度も覚えました」

「決して裕福な家庭ではなかったけどサッカーを続けさせてくれた両親。ありがとうございました。親父は野球やらせたかったみたいだけど(笑)でも、両親の厳しさ、いろんなものへチャレンジすること、努力することを学びました。プロ生活で少しは親孝行出来たかな?」

「そして1番迷惑をかけ続けた家族。わがままで気分屋で引越しばかりで大変だったと思う。けど、文句も言わず常についてきてくれて理解してくれた。転校で友達と離れ離れになってばかりで悲しい思いをさせてきた。その上、スパルタで口うるさいクソ親父で大変だと思う。今、伝わらなくてもわからなくても大人になって、わかってもらえたら嬉しい。プロ生活2年目から一緒にいる妻は本当に大変だったと思う。アスリートの栄養管理、家事育児と仕事がたくさん。そしてたくさんケンカしてたくさん泣かして困らせ続けた。それでも1番サッカーを応援してくれて数年前から考えていた引退も『続けたら?』『もっと見たい』と背中を押し続けてくれた。いわてグルージャ盛岡に来てからは単身赴任でワンオペ。日々大変で苦労と迷惑ばかりかけてすまん。常にサッカーに集中出来る環境を作ってくれてありがとう」

「チームが苦境の中で個人的なリリース申し訳ありません。どうしても自分が好きな『29』で発表したかったのでどうか許して下さい。しかし可能性が低くても1%の可能性がある限り絶対に諦めません。最後の最後まで自分を信じて仲間を信じてチームを信じて戦い切ります!」

「これからもオシムチルドレンとして、上を見てチャレンジすることを忘れず、このサッカー界に関わり続けたいと思います。今まで関わった全ての人に感謝の思いでいっぱいです。ありがとうございました!!Jリーグありがとう!サッカーありがとう!21年間MIZUNOのスパイクもありがとう!みんなありがとう!これからも『サッカー小僧』水野晃樹をよろしくお願いします」

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