ローマのCEOが電撃辞任…デ・ロッシ前監督の解任で誹謗中傷や脅迫、家族にも護衛

 ローマは22日、リナ・スルクCEO(最高経営責任者)が辞任したことを発表した。

 開幕4試合で3分1敗と低調なスタートを切ったローマは18日、クラブレジェンドのダニエレ・デ・ロッシ前監督を解任。以前からデ・ロッシ前監督との確執が噂され、今回の解任劇を主導したとも報じられるスルクCEOはファンからの大きな反感を買っていた。

 トリゴリアの練習場の外に「ダニエレ・デ・ロッシはローマの海(mare)、リナはローマの害悪(male)だ!」とのバナーが掲げられるなど、スルクCEOに対してはSNSや街中で誹謗中傷、脅迫文が飛び交うように。事態を重く見た治安当局は、スルクCEOだけでなく同CEOの子供たちの通学にも警備をつける厳戒態勢を敷いていた。

 そんな矢先、スルクCEOの辞任をローマが発表。「クラブにとって特に重要な局面におけるリナの献身に感謝するとともに、彼女の今後のプロフェッショナルな挑戦における成功を祈ります。経営陣は、我々のチームを特別なものにしている価値観に常に注意を払いながら、ローマの成長と成功に全力を注いでいきます」との声明をクラブ公式サイトに掲載した。

 CEOの電撃辞任という混沌のさなか迎えたセリエA第5節ウディネーゼ戦で、“ジャロロッシ”はパウロ・ディバラの得点などで3-0の快勝を収めた。同試合が初陣となったイヴァン・ユリッチ新監督は、スルクCEOの辞任について、「食事中に『スカイ』のニュースで知ったよ。人として同情してしまう。彼女にとってはとても難しい時期だ。そして、私たちはピッチ上で何ができるかを考える必要がある。それ以外の仕事は他の人たちに任せよう」とコメント。また、チームの状況については次のようにも語った。

「ダニエレの退任について、選手たちは非常に申し訳なさそうにしていた。彼らは誠実であり、彼らは悲しんでいた。罪悪感を抱えながらもこの1週間、彼らはすべてを捧げた。今日はブーイングを浴びたが、彼らはローマのためにすべてを捧げたいと思っている」

 2020年8月にローマを買収したフリードキン・グループは、2023年4月にギリシャ人のスルク氏をCEO兼ジェネラル・マネージャーとして招へい。欧州クラブ協会(ECA)の執行委員会やオリンピアコスのCEOを歴任してきた女史は、クラブの経営体質改善に向けた改革を推し進め、フリードキン・グループからは厚い信頼を寄せられていた。しかし、モウリーニョ元監督の解任、後任として招へいしたデ・ロッシ前監督との衝突など、現場との軋轢でファンからは支持を得ることができなかった。

【ハイライト】ユリッチ初陣で今季初白星 ローマ 3-0 ウディネーゼ

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