「セーブを待っているだけだった」…アーセナルGKラヤ、“スタイル転換”の背景に1人のコーチとの出会い

ダビド・ラヤ

 アーセナルに所属するスペイン代表GKダビド・ラヤが自身のキャリアの転機について語った。14日、イギリスメディア『スカイスポーツ』が伝えている。

 現在28歳の2019年夏に加入したブレントフォードで頭角を表し、昨年夏に買い取りオプション付きのレンタルでアーセナルへ加入した。2シーズンに渡って守護神に君臨していたイングランド代表GKアーロン・ラムズデールからすぐさま定位置を奪うと、最終的には公式戦通算41試合に出場。プレミアリーグでは最多16度のクリーンシート(無失点試合)を記録し、アーセナル所属選手としては3人目となるゴールデン・グローブ賞に輝いた。

 今夏には買い取りオプションの行使が発表され、晴れて正式にアーセナルの一員となったラヤ。「昨年はローン移籍だったが、このクラブのために全てを捧げたし、長くここに残りたいと思っていた。夏に代表チームに行く時にはナショナルチームのことに集中したが、心の片隅では契約のことが気になっていたんだ」と明かしつつ、完全移籍に移行した喜びを次のように語っている。

「今後数年間の契約にサインすることができて安心しているよ。ここにいられることは嬉しいし、クラブの方向性、選手、スタッフ、ファン、クラブを取り巻くすべてが素晴らしいんだ。実際に中に入ってみないとどれほど素晴らしいかは分からないだろう。僕にとってここにいられることは大きな喜びだし、クラブの一員になれたことは夢のようだよ」

 セービング能力の高さもさることながら、ラヤを語る上で欠かせないのが攻撃面での貢献とプレーの積極性だ。長短のパスを織り交ぜて最後尾からビルドアップを支え、鋭いパントキックやロングスローでチャンスを演出することもしばしば。また、DFラインの背後へのボールや相手のクロスに対しては積極的に飛び出し、相手のシュートを未然に防ぐことも多い。アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督はこれらの特性を評価し、ラムズデールからラヤへの守護神交代に踏み切ったと見られている。

 では、そのような“攻撃的”プレースタイルはどのようにして作られたものなのか。ラヤは「ビルドアップに参加し、ゴールや攻撃に関与するのが大好きなんだ。GKとして最も楽しい瞬間の一つだし、特にアーセナルでプレーしている時はね。ミスや失点もあるけど、それが僕たちのプレースタイルだから楽しんでいるよ。リスクもあるけどそれ以上にメリットがあると思う」と言及しつつ、ブレントフォード時代に指導を受け、アーセナルで再会を果たしたGKコーチのイニャキ・カニャ氏との出会いが大きかったと語っている。

「ブラックバーンにいた頃の映像を見れば、ただゴールライン上に立って、何もしようとせず、クロスカットを狙わず、ボックス外に出ず、予測せず、セーブを待つだけのGKだったかが分かると思う。ブレントフォードと契約した時、彼(イニャキ・カニャ)は僕のスタイルを完全に変えた。より積極的になり、まだ起こっていないことを予測するようになったんだ。クロスを狙えるのなら狙う。セーブを待つのではなく、チャンスを遠ざける。背後へのボールに対しては高い位置をキープし、攻撃を阻止できるようにしているんだ」

ジャンルで探す