37歳となったジルー、今季限りでミランに別れを告げるのか? LAFCと口頭合意報道も

オリヴィエ・ジルー

 ミランに所属しているフランス代表FWオリヴィエ・ジルーは、今シーズン限りで“ロッソネロ”のユニフォームを脱ぐ決断を下すのだろうか。

 母国のモンペリエで得点を量産し、アーセナルチェルシーなどプレミアリーグを舞台に活躍したジルーは、2021年夏にミランへ完全移籍した。加入直後からセンターフォワードの軸に君臨し、若き才能が数多く集まっていた当時のミランにおいては、ベテランとしても影響力を与えた。加入初年度は公式戦38試合の出場で14ゴール4アシストをマーク。セリエAに限定しても29試合出場11ゴール4アシストを記録し、クラブにとって11シーズンぶりとなる“スクデット”に大きく貢献した。

 翌シーズンも最前線で存在感を放ち、公式戦47試合の出場で18ゴール7アシストを記録。チャンピオンズリーグでは全12試合のピッチに立って5ゴール2アシストを記録し、ベスト4入りに貢献していた。クラブとの契約を1年延長して迎えた今シーズンは、ここまで公式戦36試合に出場し、14ゴール9アシストを記録。37歳となった現在もパフォーマンスに衰えは見られず、フランス代表でも中心選手として活躍している。

 そんなジルーは今月に入ると、イタリアメディア『ガゼッタ・デロ・スポルト』など複数のメディアによって、今季限りで満了を迎えるミランとの契約を更新しない可能性が報じられた。『スカイ・イタリア』も「6月限りでミランに別れを告げる可能性は非常に高い」と伝えている。また、『ガゼッタ・デロ・スポルト』によると、ミランはジルーの後釜として、ボローニャ所属のオランダ代表FWジョシュア・ザークツィー、ライプツィヒ所属のスロベニア代表FWベンヤミン・シェシュコ、フェイエノールト所属のメキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスらに関心を示しているという。

 このような状況の中、移籍市場に精通するイタリア人記者のファブリツィオ・ロマーノ氏が27日、ジルーの去就に言及。MLS(メジャーリーグ・サッカー)のロサンゼルスFCが、ジルーの完全移籍加入について選手側と口頭合意に達したと報じた。

 ロサンゼルスFC側は昨年10月よりジルーに関心を示しており、今週に入って初めて具体的な動きを見せたとのこと。前述の通り、ミランとジルーの契約は今季限りで満了を迎えるため、移籍金は発生しない。契約期間は2025年12月までの約1年半となる見込みだ。

 なお、現在のロサンゼルスFCには、ともにFIFAワールドカップカタール2022を戦った元フランス代表GKウーゴ・ロリスが在籍している。昨季までは元イタリア代表DFジョルジョ・キエッリーニ、元メキシコ代表FWカルロス・ベラ、一昨シーズンまでは元ウェールズ代表FWガレス・ベイルが所属していたことも記憶に新しい。現在のチームは将来が嘱望される若手選手も多く、ジルーの加入が彼らの成長の手助けとなることも期待される。

 また、『スカイ・イタリア』もジルーのMLS行きが濃厚であることを報じている。一方で、サウジアラビアの複数クラブもジルーの獲得を諦めておらず、ここから“追い上げ”を見せる可能性もあると示唆。いずれにせよ、ミランに残留する可能性は低くなってきた。

 今夏にはEURO2024の開催が控えており、ジルーは同大会をもってフランス代表を引退する可能性も取り沙汰されている。果たして、ジルーのヨーロッパでのキャリアは今季限りで終焉を迎えるのだろうか。

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