天皇杯Vに貢献 神戸・武藤嘉紀、単身赴任でサッカー漬けの32歳はコンディション維持のため酒も「ほとんど飲まない」

後半、シュートを放つ神戸・武藤(右)

◆第104回サッカー天皇杯▽決勝 神戸1―0G大阪(23日・国立競技場)

 神戸・武藤が優勝に導く決勝点を“アシスト”した。後半19分、中央でボールを収めた大迫に「かなり大きく声をかけた」とゴール前左へ走ってパスをもらい、シュート性のクロス。そこから決勝点が生まれた。「どういう内容であれ得点して勝つことにフォーカスしていた。仕留めて勝てたことに意味がある」と自身初のカップ戦タイトルをかみしめた。

 32歳。欧州から21年夏に日本復帰後、日常生活からよりサッカーに人生をささげてきた。今は「(酒を)ほとんど飲まない」とし、「筋肉が硬くなるリスク、次の日に残るリスクを考えたら、全くその一瞬の快楽や楽しさのために体、コンディションをマイナスにする必要はない」と考えを変えた。

 神戸に単身赴任でサッカー漬けの毎日。妻と子供3人家族がいる東京に戻る回数は少ない。家族への申し訳なさを感じながら「自分の仕事はサッカーなので」と明かし、「生まれながらの負けず嫌い。つらさや厳しさも心地よく感じられている」と手を抜かない。背中で戦う集団としての空気をつくっている。

 試合後、優勝の喜びはやや抑えめ。「あとはリーグタイトルを取る。それに尽きる」。武藤にはJ1との2冠しか見えていない。(星野 浩司)

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