町田の黒田剛監督 優勝占う“天王山”広島戦に挑む心構え 高校サッカーの名将から学んだチーム操縦術

町田・黒田剛監督

 町田の黒田剛監督が26日、町田市内での非公開練習後、今季の天王山と言える首位・広島戦(28日・Eピース)に向けて取材に応じた。勝ち点59で並び、得失点差で首位広島、2位町田で迎える一戦。「どうこの一戦に気持ちを込めて戦うか、戦わせるか我々(指導者)がやっていかなきゃならないこと。まだ早いとはいえ、集大成チックなゲームにもなってくると思う。でもぶれるわけではなく、今まで作り上げてきたものを100パーセント出し切ることが重要」と落ち着いた様子で話した。

 リーグ最少失点(22点)の町田と、最多得点の広島(61点)。広島は今夏加入したMFトルガイ・アルスランやFWパシエンシアら新戦力もフィットし、警戒するポイントは多い。「広島がやってくること、強みにしているところの対応、対策はやっていく。色々なゲームを振り返った時、彼らが得意なところ、苦手としているところはある。みんながそれを理解し、アプローチしていく」と説明。また「広島も町田を怖がっている一面はあると思う。不確定要素の多いものを我々は秘めている。彼らが怖い、と思うものは率先してやっていく」と、相手の嫌がるプレーを徹底する町田のスタイルを貫く構えだ。

 この日も約45分間取材に応じ、試合前に必ず足を運ぶ神社の話題など、笑顔も交えて話した指揮官。大一番を前にも張り詰めた様子はなく「(青森山田高時代を含め)もう32年も(監督を)やっているからね。じたばたしても仕方ない。高校サッカーには色んな名将がいて、帝京の小沼先生や鹿児島実の松沢先生に、おれがぴりぴりして落ち着かない状況で(高校)選手権前を迎えている時に、今からじたばたしてもしょうがないよ、どしっとしてコンディションだけ考えてやっていればいいよ、と教えてもらったこともある」とうなずいた。

 今季J1で躍進を見せる中、首位に立っていても常に選手達の危機感をあおり、プレッシャーをかけ続けることで力を引き出してきた黒田監督。一方広島戦に向けては「重くなることが一番よくない。(選手達が)さらにプレッシャーをかけてくるだろうな、とぐっと構えた時に、全然問題ないよ、気楽にやろうぜ、と言って開放することも(方法の)一つ」とうなずいた。プロ2年目の指揮官にとっても、Jリーグで迎える最大のビッグマッチ。選手の力を最大限引き出すために、これまでの経験から学んだ全てを駆使し、広島戦に挑む。

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