大谷翔平の“盟友”テオスカー・ヘルナンデスがドジャースのQオファーを正式拒否…「残留有力も再交渉が優柔不断だと移籍可能性も」…レッドソックス、オリオールズ、ヤンキースが興味

 ドジャースの大谷翔平(30)の盟友として知られるテオスカー・ヘルナンデス(32)が19日(日本時間20日)、球団からの「クオリファイング・オファー」を正式に拒否した。メジャー選手会が発表したもの。ヘルナンデスはチーム残留を希望しているが、ヤンキースからFAのファン・ソト(32)の動向とリンクしており、再契約を楽観視する見方と、他球団へ移籍する説が入り乱れている。

 1年2105万ドル(約32億8000万円)のクオリファイング・オファーを拒否

 ドジャースのムードメーカーで大谷が本塁打を放った際に“ひまわりの種シャワー”を浴びせることで知られているヘルナンデスが、所属チームに優先的に与えられている再契約オファー「クオリファイング・オファー」を正式に拒否した。
 年俸上位125選手の平均年俸が規定額で、ヘルナンデスへのオファーは2105万ドル(約32億8000万円)。マリナーズから1年2350万ドル(約36億2000万円)の契約でドジャースに移籍した今季はキャリアハイとなる33本塁打に加え、ポストシーズンでも4番を任されるなど大活躍して世界一に貢献。7月のオールスターではホームランダービーで優勝し、シルバースラッガー賞も受賞した。その今季より300万ドル(約4億6000万円)も安いオファーを拒否するのは、規定路線。今オフには13人が、クオリファイング・オファーを受けたが、受諾したのはレッズニック・マルティネス投手一人だけだった。
 ヘルナンデスはチーム残留を強く希望している。
 ドジャースタジアムで行われたワールドシリーズの優勝祝賀イベントでは、マイクの前に立ち、「前にも言ったがドジャースが最優先だ。来年またこのチームでプレーするために全力を尽くす。ここにはたくさんの良い思い出がある。選手として、人として、たくさんのことを学んだ。その一員になれてとてもうれしい」と涙を流してファンに残留を訴えた。
 ただ再契約を結べるかどうか現状は複雑だ。
 ドジャースの専門サイト「ドジャースネイション」は、「ドジャースがヘルナンデスにクオリファイング・オファーを出すのは当然で、彼が断るのも当然だった。へルナンデスは、複数年のオファーを求めており、このオファーを辞退することは、それを達成するための最初のステップ。ドジャースとの再契約が有力視されているが、彼の要求に近づかなければ、ポストシーズンを狙う別の候補チームに彼を奪われる可能性がある」との見方を示した。
 MLB公式サイトは、「ヘルナンデスがレフトが空席のドジャースに残留する可能性は残っている」としたものの、「この問題は市場のトップFAであるソトともリンクされていて、今週ドジャースは、そのスーパースターのスラッガーと面会する予定だ」と付け加えた。

 

 

 ドジャースは、大谷が結んだ史上最高額の7億ドル(約1078億円)に相当する超大型契約が必要とされるソトの獲得に乗り出す方向で、ヘルナンデスの再契約は、その成否次第。ソトの大物代理人であるスコット・ボラス氏は、すでにブルージェイズ、レッドソックス、メッツの3球団との一度目の交渉を終えている。
 ドジャースの専門サイト「ドジャース・ウエイ」は、「すべての兆候は、ドジャースが依然としてヘルナンデスとの再契約を有力視していることを示している。ブランドン・ゴメスGMは、彼との交渉を再開する予定であると述べた」とした上で、他球団への移籍の可能性があることも報じた。
「しかし、すでにレッドソックス、オリオールズ、ヤンキースというヘルナンデスの求婚者が出てきている。レッドソックスは昨シーズンからヘルナンデスに注目してドジャースとの契約前にオファーを出していたほどだ。ドジャースはヘルナンデスがチームに留まりたいという事実を過大評価し、彼との再契約を遅らせることができると受け止めるべきではない。他のチームが彼を積極的に口説くことを考えておくべきで、再契約に優柔不断でいることに時間を費やすことはできない」
 再契約交渉が遅れると他球団に奪われる可能性が高まると警鐘を鳴らした。
 ドジャースはヘルナンデスが納得する複数年契約をオファーすることができるのか。それとも超大物ソトの獲得に成功してヘルナンデスを手放すのか。交渉が停滞している間にレッドソックス、オリオールズヤンキースが、それ以上の条件でヘルナンデスを“強奪”するのか。大谷の盟友の動向に注目が集まる。

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