阪神、巨人、中日、楽天、西武などドラフトで捕手の欲しい球団が指名するならこの3人

いよいよ今日24日にプロ野球ドラフト会議が開催される。1位指名候補として関西大の金丸夢斗投手、明治大の宗山塁内野手らに人気が集まっているが、阪神、巨人、中日、楽天、西武など捕手を強化ポイントにあげている球団は少なくない。“名将”野村克也氏の“参謀”として知られ、ヤクルトでは編成部長、阪神ではスカウトも務めた松井優典氏(74)に有力候補をリストアップしてもらった。

 

  

 「求む捕手」――。
 今回のドラフトでそんな看板を掲げている球団は少なくない。捕手の心配がないのは田宮裕涼が大ブレイクした日ハム、最後に怪我をしたが山本祐大が出てきて、クライマックスシリーズMVPの戸柱恭孝、伊藤光、来季3年目の松尾 汐恩を揃える横浜DeNAくらいだろう。
 切実なのは81試合にスタメンマスクをかぶった太田光、同52試合の石原彪がいずれも打率1割台に低迷した楽天、91試合で先発出場の3年目の古賀悠斗がまだ発展途上で、37歳のベテランの炭谷銀仁朗に35試合もスタメンマスクを任せた西武、3割を打った宇佐見真吾、“意外性の男”木下拓哉、守備優先の加藤匠馬と3人を揃えながらも、自慢の投手陣を支えるような総合型の捕手に欠けている中日だろう。阪神も梅野隆太郎坂本誠志郎の2枚起用だが、3人目の捕手がいない。またリーグ優勝した巨人も岸田行倫が最多の73試合に先発、大城卓三、小林誠司の3人で乗り切ったが、FA権を得たソフトバンクの甲斐拓也の獲得調査をしているほど、軸となる捕手も、将来性のある次世代の捕手も不足している。
 現役時代に捕手としてプレーした元ヤクルト編成部長の松井氏は、「捕手が欲しい球団は、この3人を指名すべき」と3人をリストアップした。
 即戦力としては対照的な2人の社会人捕手の名前をあげた。日本生命の石伊雄太(24、右打ち1m78、84Kg)と、NTT東日本の野口泰司(23、右打ち、1m80、94kg)の2人だ。
「石伊は守備型で、野口は打てる捕手。石伊の肩は、プロでも一級品の部類に入る。守りではすぐ使えると思う。日本生命の先輩の小林誠司と同じくバッティングが課題だが、昨年の日本選手権ではホームランを放つなど意外性とパンチがある」
 石伊は、近大高専から近大工学部を経て日本生命に入社して2年目の捕手。日本生命では1年目からレギュラー捕手として起用された。今年7月の阪神2軍とのプロアマ交流戦では、2度盗塁を刺して度肝を抜いた。ただ打撃が課題。

 

 

 一方の野口は、強肩の打てる捕手。
「堂々の体格でパワーがある。フルスイングだが、すり足でタイミングを取り、広角に打球は飛ぶ。おまけに強肩。大型捕手だ」と松井氏。
 名城大学時代にはリーグ戦で通算9発。全日本大学選手権の亜大戦、明治神宮大会の上武大戦で、それぞれホームランを放ち、大学侍ジャパンに選ばれた。社会人の1年目は4番でDH、2年目に正捕手となり、U―23代表では4番を任された。主要大会での打率は3割を超えている。
 即戦力ではないが、将来性に期待する素材型でのナンバーワンは、センバツ優勝捕手である健大高崎高の箱山遥人(右打ち、1m77、84kg)だ。
 強肩に加えて、フットワークが抜群で、高校通算35本の長打力を秘める。今夏の甲子園では、2試合でヒット1本しか打てず課題の打撃に成長が見られなかった点が気掛かりだが、松井氏は「バント処理などのフットワークの俊敏さに目をみはるものがあった。運動神経がいいのだろう。ただ課題はバッティングで、パワーはあるが外角の変化球への対応に苦慮している。プロでどこまで、その部分を改善できるかだが、将来性のある大型捕手」と評価している。

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