大谷翔平が今度はポストシーズンで史上初の「5―5」をやってのける?米メディアが異例予想記事

 ドジャースの大谷翔平(30)が移籍初年度に「50―50(54ー59)」の史上初の大記録を成し遂げて、54本塁打、130打点の2冠は、ほぼ確定。惜しくも首位打者には4厘届かなかったが打率も.310のリーグ2位で、トリプルスリーの達成という歴史的な成績を残した。そして次に待ち受けるのが大谷が熱望してきたポストシーズンの戦い。米CBSスポーツは「大胆な10の予想」記事を掲載し、大谷がシリーズの中で史上初の「5本塁打―5盗塁」を果たす可能性を予想した。

 過去シリーズ最多は6本でポストシーズン総計最多は10本

 MLB公式やロサンゼルスタイムズ紙など多くの米メディアが大谷の2024年シーズンを「歴史的なシーズン」と表現した。史上初の快挙となった「50-50」は「54-59」まで伸ばし、54本塁打、130打点で、2冠はほぼ確定し、打率.310は、首位打者、そして3冠王には、わずか4厘差届かなかったが、総出塁数411、197安打は、いずれもキャリアハイ。だが、大谷は「ここから先はシーズン中に積み上げた成績とか数字は意味がない。自分の調子を維持すること。気持ちを切らさずに過ごしていきたい」と、5日(日本時間6日)のディビジョンシリーズから始まるポストシーズンの戦いに目を向けた。
 その中でCBSスポーツが「2024年のMLBプレーオフ…大谷翔平の初登板やアストロズの失望を含む10の大胆な予想」というタイトルでポストシーズンの予想記事を掲載。10個のうち2番目の予想として大谷が「5-5」を成し遂げるとぶちあげた。
 マイク・アクシサ記者が執筆したもので「『50―50(54―59)』ほどインパクトはないが、ひとつのポストシーズンシリーズで『5-5』を果たすことも前例のないことだ。2021年から2023年にかけて通算57盗塁をした大谷は2024年に59盗塁を記録した。10月にも盗塁が続かないと考える理由はない。彼のスピードはとても貴重で、その力は計り知れない」と書き始め「私の大胆な予想では大谷はこのポストシーズンのシリーズで5本塁打と5盗塁を打つだろう」と予想した。
 ポストシーズンの全試合で「5―5」を果たすという予想ではなく、5戦3勝先取で決まるディビジョンシリーズ、7戦4勝先取のリーグチャンピオンシップシリーズ、同じく7戦4勝先取のワールドシリーズのそれぞれひとつのシリーズで果たすのでは?という予想だ。
 同メディアによると、過去にポストシーズンのひとつのシリーズで5本塁打以上を打った選手は9人。同時に複数盗塁を記録した選手は1人もいない。
 最多本塁打は、2011年のア・リーグチャンピオンシップシリーズでネルソン・クルーズ(レンジャーズ)が打った6本だが、盗塁はゼロ。以下、5本の選手が8人で、1977年のレジー・ジャクソン(ヤンキース)、1995年のケン・グリフィーjr.(マリナーズ)(1盗塁)、1996年のファン・ゴンザレス(レンジャーズ)、2009年のチェイス・アトリー(フィリーズ)(1盗塁)、2017年のジョージ・スプリンガー(アストロズ)、2020年のコーリー・シーガー(ドジャース)、2023年のアドリス・ガルシア(レンジャーズ)(1盗塁)、2023年のカイル・シュワーバー(フィリーズ)だ。

 

 

 同記者は盗塁については5盗塁以上を決めた選手が過去に21人もいることを紹介した上で「5本の本塁打が難しい部分になるだろう(5盗塁が簡単というわけではない)。そして本塁打と盗塁は相反するものだ。本塁打を打ったとき、盗塁はできず、シリーズでの打席数が限られことになる。ただ大谷は多く出塁することが予想される」と指摘。さらにこう続けた。
「大谷がシリーズで多くの本塁打を打つと相手チームが彼を歩かせ始める可能性が出てくる。ただムーキー・ベッツフレディ・フリーマンが彼の後ろを打つので、その心配はあまりない。申告敬遠も大きな問題にはならない。逆に問題は、大谷があまりにも多くのホームランを打つため盗塁のチャンスを自分に与えるかどうか。いずれにせよ。私達は史上初のシリーズでの『5-5』を予想している」
 ちなみにポストシーズンのトータルでの最多本塁打は、2020年のランディ・アロザレイナ(タンパベイ・レイズ)の10本。ワイルドカード・シリーズの2試合は出なかったが、ディビションシリーズの5試合で3本、チャンピオンシップシリーズの7試合で4本、ワールドシリーズの6試合で3本を放った。
 またタイトルにある「大谷翔平の初登板の失望」とは、昨年9月の右肘を手術した大谷のポストシーズンでのリリーフ登板の可能性をデーブ・ロバーツ監督が「ドアは閉めない」とほのめかしたが、チームのフリードマン編成本部長や執刀医でもあるチームドクターが登板の可能性を否定したことを示したものだ。
「10の大胆な予想」では他には、ヤンキースのアーロン・ジャッジのポストシーズンでのOPSが同僚のファン・ソトを上回ることや、シードを勝ち取りワイルドカードシリーズ出場をスキップしたナ・リーグのドジャース、フィリーズ、ア・リーグのヤンキース、ガーディアンズに世界一の可能性があること、7年連続でア・リーグのチャンピオンシップシリーズに進出しているアストロズが、今季はワイルドカードシリーズからのスタートとなったため、その記録がストップする可能性があること、リリーフ投手のイニング数が先発投手のそれを上回ること、また先発投手のスペシャルなリリーフ起用があることなどを予想している。

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