「もし大谷翔平が50‐50を達成すれば二度と見ることのできない記録となる」“あの”米殿堂入り右腕が残り21試合で「45ー46」をクリアした大谷の挑戦に期待

 ドジャースの大谷翔平(30)が6日(日本時間7日)、本拠地でのガーディアンズ戦に「1番・DH」で先発出場し、6回一死走者なしの場面で5試合ぶりの45号ソロを放ち、史上初の「45本塁打&45盗塁」を達成した。大谷は2日(日本時間3日)のダイヤモンドバックス戦で1試合3盗塁を決めて46盗塁に到達していた。大谷は単独1位の本塁打に続き打点部門でも「100」の大台に乗せウィリー・アダメズ(ブリュワーズ)に並びトップに立った。残り21試合。「50‐50」がいよいよ視界に入ってきた。なお試合はドジャースは大谷のソロアーチだけの得点に終わり1-3で敗れた。

「大谷はすぐに1-0とチームをリードさせることができる」

 記念すべき一発がロスの夜空に高々と舞い上がった。2点を追う6回一死走者なしの場面で、ガーディアンズのマウンドには先発左腕のマット・ボイド。FAで6月に契約、トミー・ジョン手術から復活して4試合目の左腕は、2球目に初球と同じく内角へのシンカーを選択したが、142・9キロのそのボールが甘く入ってきたところを見逃さない。しっかりと捉えた打球はバックスクリーンの左に飛び込んだ。
 ビジョンには「45/46 SHOHEI OHTANI」の文字と共に「THE CHASE FOR 50/50」というメッセージが並んだ。
 2日のダイヤモンドバックスで1試合3盗塁を決めて46盗塁としていた大谷が、「45―45」をやってのけた。「43―43」の時点からメジャー史上初の記録を更新していく段階に入っていたが、キリのいい数字をクリア。そしてまだ残り21試合あり、過去に誰も到達できなかった「50‐50」が視界に入ってきたのである。
 MLB公式サイトは、大谷にメモリアルアーチを許したものの6回を投げて、失点をその「1」だけに抑えて、今季2勝目をあげたボイドのコメントをこう紹介している。
「相手は(リーグでも)より優れた打線の1つで、彼らの上位3、4人の打者が特にそうだ。1球目の投球から、大谷と対決しなければならず、準備ができていなければならない。彼は、すぐに1-0とチームをリードさせることができるからだ。(そう考えると1失点だけに終わり勝利投手となった)今日は良い日だった」
 その試合をスタートから「1-0」にできるパワーを持つ1番打者の大谷に対して、その第1打席はセンターが背走してフェンスの手前でキャッチするセンターフライに打ち取っていた。
 米ヤフースポーツは、このままのペースをキープすれば「50‐50」どころか「51―53」に到達する見通しであることを伝えた。
同サイトは「大谷が、46盗塁とともに45号本塁打を放つ。50-50達成へ21試合を残す」との見出しを取り、「大谷はシーズンの13%を残して、50本塁打、50盗塁の達成に向けて記録の90%をやってのけた。前例のない45-45を自身にもたらした。この本塁打はキャリア最多に並ぶ100打点目だった」と報じた。

 

 

 同サイトは、「もう大谷が何かを達成することに驚かされることはほとんどなくなったが、彼の盗塁は、MLB史上最も多彩な選手に加わった新たな技術となっている。彼の盗塁のキャリアハイはMVPを勝ち取った2021年の26個だったが、このシーズンはリーグ最多タイに並ぶ10の失敗を犯していた。だが、今年の大谷は盗塁を50度試して、46度成功している。右肘を手術し、彼の能力をオフェンスに集中していることが起因しているかもしれない。彼は7月22日以来盗塁を失敗していない」と盗塁の成功率の高さを紹介。
 「大谷は、ほぼ神話的と感じられる本塁打と、その盗塁を合わせた数字で偉業を達成するため残り21試合で5本塁打と4盗塁を必要としている。彼が今のペースを維持すれば、51本塁打、53盗塁となり、もしそうなればMVPスピーチのリハーサルを始められそうだ」と続けた。
 過去にDHでMVPを獲得した選手がいないため、「守備をしない選手がMVPでいいのか?」との論争も起きているが、同メディアは、「50‐50」を達成すれば、その異論も消えると主張した。
 またCBSスポーツによると、大谷が「50ー50」を達成すれば、シーズン50本塁打、50盗塁を達成した史上3人目の選手となる。過去にバリー・ボンズが2001年に73本塁打、1990年に52盗塁をマーク。ブレイディ・アンダーソンが1996年に50本塁打、1992年に53盗塁を記録している。
 また通算213勝で米野球殿堂入りしているブレーブスの“レジェンド”ジョン・スモルツも、サイヤング賞投手のジャスティン・バーランダーの弟で大の大谷ファンを自称しているベン・バーランダーのポッドキャスト番組に出演してこう語った。
「もし大谷が今年50-50を達成すれば、その記録を超える選手は二度と出現しないだろう。だから、それが(MVP論争の)声明となります。それを行うのは困難です。誰かが、その壁を破れば、きっと多くの人がそれに続くと思うでしょう。ただ二度と見ることはないと思います」
 もし大谷が「50‐50」を達成すれば、永遠に抜かれることのない金字塔となることを証言している。

ジャンルで探す