ヤンキース救った「ジーターの後継者」、逆転満塁弾や猛烈ヘッドスライディング…走攻守で躍動
米大リーグのワールドシリーズ第4戦は29日(日本時間30日)、3連敗のヤンキース(ア・リーグ)が本拠地でドジャース(ナ・リーグ)を11-4で破った。メジャー2年目の23歳、アンソニー・ボルピ内野手が、走、攻、守にわたる活躍で崖っぷちのチームを救った。(デジタル編集部)
初回、フリーマンにワールドシリーズ6試合連続本塁打となる2ランを浴びたチームの嫌なムードを一変させたのが三回、ボルピの満塁本塁打だった。2四死球とヒットで二死満塁となり7番打者が打席に立った。ドジャースは救援投手をつなぐ「ブルペンデー」。この回から登板した2番手ハドソンの初球のスライダーを捉えると、打球は左翼スタンドへ。「グランドスラム」で5-2と一気に逆転した。
ショートの守備でも、軽快に難しいゴロをさばくと、八回に今度は「足」でさらなる見せ場を作った。一死後、レフト線にヒットを放つと、迷うことなく二塁を狙う。タイミングはアウトだったが、送球を受けた内野手の落球を誘って二塁打とした。激しいヘッドスライディングで、二塁手のE・エルナンデスのグラブに「頭突き」する形となり、ボールがグラブからはじけ飛んだ。
さらにダブルスチールで三盗を決めると、9番バードゥーゴの二ゴロで本塁に突進。前進守備の二塁手から捕手への送球がわずかに一塁方向にそれると、間一髪、スピード感あふれるヘッドスライディングで生還(記録は野選)して7点目。この回5得点の「ビッグイニング」に貢献した。
ボルピは2019年のドラフト1巡目指名でヤンキースに入団。メジャーデビューの昨年には遊撃手としてゴールドグラブ賞を受賞した。1メートル75とそれほど大きくないが、パンチ力のある打撃で昨年は21本塁打。今季レギュラーシーズンは12本塁打、打率2割4分3厘で、ポストシーズンではこれが初本塁打となった。
地元ニューヨークの出身で、前日の第3戦で始球式を行ったデレク・ジーター氏の後継者として期待される。今ポストシーズンは、これで44打数12安打、6打点、5盗塁。八回の二塁打は「暴走」と紙一重ではあったが、若者らしい積極的な姿勢が奏功した。連敗でムードが上がらなかった名門チームに若手が大きなエネルギーを注入した。
10/30 14:26
読売新聞