山本由伸が松坂大輔以来のWシリーズ日本人勝利投手に「ストライクゾーンで勝負できた」

 米大リーグのワールドシリーズは26日(日本時間27日)、ロサンゼルスでドジャース(ナ・リーグ)とヤンキース(ア・リーグ)の第2戦が行われ、ドジャースの先発、山本由伸が七回途中まで1安打、4三振、2四球、1失点の好投を見せ、ワールドシリーズの日本人投手では2007年のレッドソックス・松坂大輔以来の勝利投手となった。(デジタル編集部)

6回2死、ジャッジ(奥)を空振り三振に仕留めた山本(26日、米ロサンゼルスで)=片岡航希撮影

 メジャー1年目、ワールドシリーズ初登板の重圧を感じさせない山本の圧巻のマウンドだった。初回こそ、先頭のトレスにいきなり四球を与えて、内野ゴロで走者を得点圏の二塁に背負ったが、3人の打者にフルカウント、この回だけで21球と球数を費やしながらも変化球でかわしながら丁寧に投げて0点で切り抜けた。

 三回に2番ソトに右越えの同点ソロ本塁打を打たれた。152キロの速球を運ばれたが、被安打はこの1本のみ。その裏に味方打線の本塁打攻勢で援護をもらうと、以降は球数を徐々に減らし、四回と五回はともに10球でリズムに乗った。ソトの本塁打の後は降板まで11人をパーフェクトに抑える圧巻の内容だった。

7回2死、2塁に滑り込むも盗塁に失敗し、立ち上がれずに痛がる大谷(26日、米ロサンゼルスで)=片岡航希撮影

 四回に6番リゾを、六回に3番ジャッジをともに三振に切って取ると、マウンドで大きくほえて、感情を爆発させるシーンも。七回、先頭のスタントンを二飛に仕留めたところでロバーツ監督が交代を告げ、2番手のバンダに後を託した。ポストシーズンでは最長となる6回3分の1を投げて86球だった。

 レギュラーシーズンでは、ヤンキース戦で6月7日に先発し、7回を2安打無失点、7三振と好投していた。その良いイメージで投げられたのか、試合後の山本は「ホームランで追いつかれてしまったが、冷静に投げることができた。しっかりストライクゾーンで勝負できた」と振り返った。ワールドシリーズでの日本人投手の先発登板は、松坂、17年のダルビッシュ有(ドジャース、現所属はパドレス)に次いで3人目だった。

 ドジャースは先発投手陣の故障離脱の中でポストシーズンを戦っており、リリーフ陣でつなぐ「ブルペンデー」でしのぎながら、ここまで勝ち上がってきた。米メディアによると、ドジャースのプランでは、第4戦が「ブルペンデー」となる見通しで、先発陣の一人として期待される山本は、シリーズがもつれた場合には、中5日で11月1日(日本時間2日)の第6戦の先発を任される可能性がある。

 舞台をニューヨークに移す第3戦以降に向けて山本は「どんな形でも、あと2つ(2勝)、全員で勝ちたい」と力強く話した。

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