ピート・ローズさん死去、イチローの記録に「次は高校時代の安打も数えるのか」…負のイメージつきまとうヒーロー

 米大リーグ歴代最多安打のピート・ローズさんが9月30日に83歳で死去したとレッズが公式サイトで発表した。ローズさんが大リーグ24年間で積み上げた安打は4256本。野球史に残る偉大な打者には、引退後の賭博疑惑による負のイメージもつきまとう。

ピート・ローズ氏=AP

 1989年に永久追放処分を受けた後、MLBに対してたびたび復権を申請。2015年1月に就任したマンフレッド・コミッショナーは監督時代だけでなく現役時代にも賭博に関与したと報道されたり、プロスポーツや競馬などの賭け事を続けたりしたことから、同年12月に「更生の証拠がない」と却下。結局、野球殿堂入りもかなわなかった。

 日本のファンにとっては1978年の日米野球でのローズさんのプレーのほか、2016年にイチローが日米通算4257安打を記録した際の言動も印象に残っているだろう。日本の球団で活躍した外国人選手の多くが、大リーグで好成績を残していないことなどから価値を疑問視。「日米合算に意味はない。次は高校時代の安打も数えるのか」と否定的な発言を繰り返した。

 とはいえ、現役時代に全力プレーで勝利にまい進した「チャーリー・ハッスル」は地元シンシナティを中心に絶大な人気を誇った。15年にレッズの本拠地で開催されたオールスター戦の前にセレモニーで登場すると、大声援に包まれた。大リーグでこれまで4000本以上を記録したのはローズさん以外はタイ・カッブのみ。記録にも記憶にも残る選手だったことは間違いない。(宮崎薫

ジャンルで探す