3回持たず降板の巨人・山崎伊、ファームで再調整へ…阿部監督「リフレッシュして戻ってきてほしい」

  ヤクルト7―2巨人(セ・リーグ=13日)――ヤクルトが3連勝。初回に村上の3ランで先行し、その後も小刻みに加点した。山野が3か月ぶりの白星。巨人は打線につながりを欠き、連勝が3でストップ。

 優勝を争う広島との直接対決3連勝から一転、巨人が最下位のヤクルトに完敗した。投手陣が13安打と打ち込まれ、打線も山野に好投を許した。悪い流れをもたらしたのが、初回の3失点。三回を持たずに降板した山崎伊は「粘れなかった」と悔やんだ。

1回1死1、2塁、村上(奥)に先制3ランを浴びた山崎伊=若杉和希撮影

 立ち上がりから直球が走らず、甘かった。一回、先頭の長岡に外角直球を中前へ運ばれ、犠打を挟んでサンタナには死球。そして4番の村上に、真ん中に入った直球を捉えられ、バックスクリーン右への先制3ランを浴びた。二回以降も立ち直れず、三回に4点目を失ってマウンドを去った。

 開幕からカード初戦で投げてきた疲れもあるのだろう。1試合平均失点は前半戦の1・4から、後半戦の7試合で3に悪化した。昨季、先発ローテーションに定着したばかり。この日、前回から中9日と休養は十分だった登板でも、本来の投球に戻らなかった。

 スローカーブなどを器用に操る右腕。多彩な変化球は、軸となる直球があってこそ生きると自覚している。普段はコンスタントに140キロ台後半をマークする球はこの日、140キロ台前半も目立った。土台となる体力はもちろん、1年を乗り切る自己管理も必要だ。後半戦に入って落ちるどころか、ギアを上げられる菅野や戸郷を見習いたい。

 試合後、阿部監督は「リフレッシュして、体調を整えて戻ってきてほしい」と、ファームで再調整させることを明かした。能力は高く、「長い回を投げてリリーフ陣を休ませたい」と責任感も強い。終盤戦、ポストシーズンでも必要な柱だからこそ、この壁を乗り越えたい。(福井浩介)

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