ロッテ・大谷輝龍「質にこだわっている」夏場以降に威力を増したストレート
ロッテの大谷輝龍は即戦力ルーキーとして期待された今季は、一軍で1試合に登板して、1被安打、3奪三振、防御率0.00だった。
ストレートが持ち味の大谷は2月2日の石垣島春季キャンプで初ブルペンに入ると、2月7日にはライブBPに登板し、藤原恭大、藤岡裕大、石川慎吾、中村奨吾相手に21球中被安打は2本に抑えた。大谷の球を受けた柿沼友哉は「真っ直ぐは強かったですね。僕は初めて捕ったので、まだなんとも言えないですけど、引っ掛けている感じのマッスラ系が気になりました。普段はどうなのかなという話をしたりとかしましたね。“こういう時に、こうなる”という大谷自身の特徴みたいなものも、わかればいいかなと思います」と評価した。
大谷は2月11日の紅白戦で0-0の3回に白組の3番手で登板し、上田希由翔、藤原からフォークで空振り三振に仕留めるなど1回を無失点。「アピールというか、自分の今できる範囲で、実力を試せたらなと思います」。沖縄本島での練習試合では、3試合・2回1/3を投げ、2被安打、2奪三振、1与四球、2失点。ZOZOマリンスタジアムで行われた3月10日のソフトバンクとのオープン戦で、1回を無失点に抑えたが、開幕はファームスタート。
ファームでは4月まではリリーフを務めていたが、5月2日の日本ハム二軍戦では「特に先発も久々だったので、どうかなという感じで入ったんですけど、思った以上にできた」とプロ初先発し、4回・51球を投げ、被安打0、4奪三振、無失点の好投。この時期は、「本当キャッチボール、ピッチングだったり試合を想定して、先発というところを見据えてキャッチボールでもピッチングでも無駄な球をなくしたいというのが大事にしているところですかね」と明かし、一軍に上がるために必要なことについて「現状変化球の精度、コントロールだったりもう1個レベルを上げなきゃいけないなと思いますね」と自己分析した。
5月24日のオイシックス戦で先発した後、3ヶ月以上登板がなかったが、8月21日の西武二軍戦で復帰すると、ここから再びリリーフに配置転換。9月以降は「真っ直ぐの強さが出てきたので早いカウントで打ち取ったりすることができるので、真っ直ぐの質が良くなったのかなと思います」と1イニングを投げた7登板中4試合で15球以内にまとめた。9月6日のDeNA二軍戦では、「あの日は結構、僕の中でも割と調子が良いと思っていたので、良い真っ直ぐが投げられたと思います」と石上泰輝を1ボ―ル2ストライクから空振り三振に仕留めた外角のストレートが良かった。
ストレートは夏場以降良くなった印象で本人は「質にこだわっている感じですね」とのことで、「強い真っ直ぐをいかにどう投げられるかというところで、真っ直ぐの質をひたすらこだわって、フォークは高めに浮かないようにところを徹底してやっています」と語った。
10月3日にプロ入り後初昇格を果たし、同日の日本ハム戦に0-1の6回にプロ初登板。「緊張はしましたし、不安もある中で上がったんですけど、ランナーを出してから落ち着いて投げられたので良かったかなと思います」。先頭の水野達稀にレフト前に運ばれるも、水谷瞬を152キロストレートで見逃し三振、続く浅間大基を130キロのフォークで空振り三振、最後は清宮幸太郎を140キロのフォークで空振り三振。
「しっかりストレートでファウルも取れましたし、フォークで空振りが取れたので、結果的には良かったと思います」。
10月4日に一軍登録を抹消され、プロ1年目は一軍での登板は1試合だった。この1年の収穫について「球が少しでも弱くなると、僕みたいなピッチャーは真っ直ぐが絞られると思う。球が弱かったら打たれたりするので、そこはそういう球を逃さないと思う。強さとかは来年以降こだわっていきたいと思います」と話し、強さを求める中で「いろいろあるんですけど、下半身が弱くならないように。下半身を意識したトレーニングを入れていますね」と明かした。
11月7日からは「ストレートと変化球に磨きをかけて、自分のピッチングにもっと自信をつけたいと思います。そして、来シーズンはチームの戦力になれるようにしっかりレベルアップしたいです」と吉川悠斗、寺地隆成、松石信八、山本大斗とともにオーストラリアのウインターリーグに参戦中だ。
来季に向けては「1年間通して投げられる体力、真っ直ぐをしっかり1年間強い球を投げ続けられるように、頑張りたいですね。シーズン始まってから開幕一軍で行けるように、完成度の高いピッチャーになるような練習をこのシーズンオフはやっていきたい」と意気込む。来季は春季キャンプからアピールし、一軍の競争に割って入りたい。
取材・文=岩下雄太
11/20 09:00
ベースボールキング