ロッテ・菊地吏玖「自信を持って投げられています」フォークボールを自分のモノにし一軍定着


 「あんまり自分では意識していないんですけど、気づいたらそうなったという感じです」

 ロッテの菊地吏玖は、独特な軌道のフォークで三振の山を築いている。今季19試合・23イニングを投げて、イニング数を上回る27奪三振。5月9日の練習中に吉井理人監督から教わったフォークを、試行錯誤しながら、自分のモノにしたことが大きい。

 「フォークしか決め球になっていない」と反省しつつ、「それで今のうちはしっかり空振りが取れていますし、相手もそういうデータが集まってきて、フォークをケアし出すと思うので、そこで違う球種で行くなりすればいいのかなと思います」と前向きに捉えた。

 フォークをしっかりと操れていることが一軍で安定した投球ができている要因なのだろうかーー。

 「そうですね、フォークがあるので自信を持って投げられていますし、元々2ストライクまで持っていくのが下手くそだったわけではないので、フォークのおかげで色々できるようになっているのかなと思います」。

 ストレートが強いからこそ、フォークも活きているのだろうか。

 「少なからずあるとは思いますし、真っ直ぐが強くないと変化球が生きてこない。真っ直ぐでファウルが取れたり、差し込めているぶん、フォークも生きているのかなと思います」。

 ストレートに関してはファームで過ごしていた7月18日の取材で「差せてはいるんですけど、ちょっとまだ最近スピードが落ちてきているので、そこは取り戻さないといけない」と話していたが、現在はストレートのスピードについて「全然満足していないので、まだまだ伸ばさないといけないとは思っています」と話した。

 「今シーズン中にガンと上げるのは難しい。だからと言って諦めているわけではないですけど、現実的に難しいところではあるかもしれないので、来年のシーズンが始まるまでに潰していければいいかなと思います」と、シーズン終了後も継続して課題として取り組んでいくつもりだ。

 去年は悔しい時間が多かった中で、今季はチャンスをモノにし、今では同点の場面や勝ち試合での登板も増えた。「自分の力が一軍の舞台で出せている証拠だと思うので、良いかなと思います」とし、同点や勝ち試合での登板が増えたことについては、「信頼が積み重ねられている結果だと思うので、どこでいっても自分のやる仕事は変わらないので、0で帰ってこれるように頑張っていきたい」と意気込んだ。フォークという武器を手に入れ、大きく飛躍を遂げた菊地。この先のクライマックスシリーズでも、安定した投球を披露したいところだ。

取材・文=岩下雄太

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