ロッテ・和田康士朗「後ろの打球は得意ではなかった」育成選手時代からノックを受け続け上達 諸積コーチ「一軍でプレーしてほしいと願いを込めてノックを打っていました」


 「後ろの打球は元々得意ではなかったので、練習で目を切ったりしながら、打球勘を強くなっていけたらなと思います」。

 ロッテの和田康士朗外野手は、23日のオリックス戦で杉本裕太郎のレフト後方の打球を好捕したように、俊足を生かした外野守備が魅力だ。「外野の打球勘はノック、数を受けなきゃならないので、積み重ねがここまできているのかなと思います」と、育成選手時代から外野ノックを数多く受けて、守備力を向上させていった。2年目の19年3月2日巨人との教育リーグで、和田恋が放ったフェンス際の打球を好捕も、試合後には諸積兼司コーチ(現二軍外野守備コーチ)から守備位置について指導を受け、その後、外野でノックを受けている姿があった。

 当時和田を指導することの多かった諸積コーチは「目を切って追うということを重点的において、あとは一歩目のスタートですよね。しっかりとできるようにというところです」とアドバイスを送り、「上手になってほしい。一軍でプレーしてほしいという願いを込めてノックを打っていました」と、ロッテ浦和球場の二軍戦の試合前練習だけでなく、試合後にも和田に対して外野ノックを打つことが多かった。

 諸積コーチは「目を切って追えるようになったし、打球勘もすごい良いので、試合で練習の姿を見せられるように守備でファンを魅了できるような選手になってほしいですね」と和田の成長に目を細め、「脚力を活かして、守備範囲広くて、球際も強くて良いと思います」と守備を絶賛した。

 和田は後ろの打球について「得意ではないですけど、最初が酷すぎたので、まあそれに比べたらいい方かなと思います」と自己分析。それを諸積コーチに伝えると、「徐々には上手になっていると思いますし、大塚コーチのノックをたくさん受けていると思うので、はい」と語った。

 大塚明外野守備兼走塁コーチは、和田の後ろの打球に対する守備について「最近はそこそこ捕るようになってきたんじゃない。彼の場合、レギュラーみたいな感じで出たことがないから、それがもう1回あったら、もうひとジャンプするんじゃないかなと思っています」と期待を寄せる。

 大塚コーチが外野守備陣にノックを打つ際に心がけることについて「和田だけじゃなく全員一緒なんだけど、打球勘を養うことが第一なので、目を切って勘を養って欲しいことと、ギリギリの難しい、際の際の打球を追いついて捕る。この2点かな」と教えてくれた。

 育成選手時代は諸積コーチ、支配下選手登録となった20年以降は一軍でプレーするようになり大塚コーチの指導を受け、外野守備を上達させた和田だが、まだまだ現状の守備に満足はしていない。「まだまだ目を切ったら、違うところに打球があるということがあるので、そこはまだまだ鍛えればもっとうまくなれるかなと思います」。守備力をさらに磨き、近い将来、ゴールデン・グラブ賞を受賞するようなプレーヤーになって欲しいところだ。

取材・文=岩下雄太

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