巨人・坂本勇人が三塁で初GG賞!新ポジション支えた5ミリ大きな相棒

三井ゴールデン・グラブ賞が発表され、遊撃手部門で5回受賞している坂本は、三塁手として初受賞を果たした

 セ・パ両リーグで守備のスペシャリストを記者投票で選ぶ第53回「三井ゴールデン・グラブ賞」が12日に発表され、巨人・坂本勇人内野手(35)が三塁手部門で初受賞した。同部門で守備率9割7分6厘、失策数6は両リーグトップ。遊撃から本格転向1年目で勲章を手にした。二塁手部門では吉川尚輝内野手(29)が念願の初受賞。投手部門で菅野、一塁手部門で岡本和が選出され、巨人からはセ最多の4人。球団では13年(阿部、ロペス、村田、長野)以来、11年ぶりの受賞ラッシュとなった。

 球史に名を残す名手が、新たな栄誉を手にした。坂本が転向1年目の三塁で、ゴールデン・グラブ(GG)賞をゲット。遊撃と合わせて6度目の受賞に「今年から新たにサードという守備位置に変わり、すごく取りたいと思っていた賞ですのでうれしいです」。得票数168。2位のDeNA・宮崎に119票の大差をつけた。一塁で選ばれた岡本和とともに、巨人で複数ポジションのGG賞獲得は1970年代の高田繁(外野手、三塁手)以来の快挙だ。

 定位置を移しても“攻めの守り”は不変だった。遊撃より打者との距離が近くなったが、三遊間への打球に鋭く反応してつかみ、三塁線のゴロは柔らかく逆シングルですくい上げる。守備範囲の広さ、軽快なフットワーク、正確な送球で何度もチームを救った。グラブは従来より5ミリ大きいモデルを1年間使用。18年目での新ポジション挑戦を「ゴールデン・グラブを違うポジションで取れる可能性がある。新しい目標ができてうれしい」とモチベーションに変え、有言実行の受賞となった。

 坂本をホットコーナーに据えた巨人守備陣は鉄壁を誇り、58失策はセ・リーグ最少、守備率も同最高の9割9分をマークした。巨人の内野手がGG賞を3人同時受賞するのは、90年(一塁・駒田徳広、三塁・岡崎郁、遊撃・川相昌弘)以来34年ぶりと、阿部監督が目指す守りの野球を体現。昨年の受賞者ゼロから、大きく躍進した。

 巨人は今秋ドラフトで1位の石塚(花咲徳栄)から浦田(九産大)、荒巻(上武大)と3人連続で内野手を指名。ルーキーたちにとって坂本の技術、野球への姿勢は生きた教材だ。12月に36歳を迎える背番号6は「このような賞に選んでいただき大変光栄です。より一層精進してまいります」。表彰式は28日を予定。リーグ連覇と悲願の日本一奪還へ、まだまだ進化を続ける。(内田 拓希)

 【記録メモ】 ゴールデン・グラブ賞を複数の守備位置で受賞は、遊撃手、二塁手、三塁手と最多の3ポジションで選ばれた立浪和義(中)をはじめ、今年セ・リーグで受賞した巨人の岡本和、坂本で17、18人目。チームでは高田繁(外野手4度=72~75年、三塁手2度=76、77年)に次いで2、3人目になる。

 複数ポジションで受賞した18人のうち、三塁手と遊撃手での受賞は、坂本が6人目。石毛(西)は過去に1試合も守っていない三塁手でいきなり賞を手にしたが、坂本の三塁も昨年の21試合だけ。転向1年目ながらセ規定以上の三塁手5人中で6失策は最少。守備率.976は1位だった。

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