ヤンキースが佐々木朗希争奪戦に参戦表明「数年前から認識」「支配的な活躍できる」 由伸の“雪辱”なるか

オンライン会見に臨んだヤンキース・ブーン監督

 球団側が保持していた選択権を行使し、来季続投が決まったヤンキースアーロン・ブーン監督が11日(日本時間12日)、オンライン会見に対応。ロッテが今オフのポスティングシステム利用を容認した佐々木朗希投手(23)について、“和製スキーンズ”と認識していることを明かし、「ユニークで特別な才能の持ち主。メジャーでエース級になれる素質がある。是非、争奪戦に参加したい」と発言。ドジャースが最有力候補と言われる中、朗希獲りへの意欲を語った。

 来季続投へ抱負を語った後、注目の佐々木に関連する質問が次々と出た。

 「どんな投手だと思うか。獲得のチャンスはあるか」

 ブーン監督はしばし沈黙した後、「どうなるか見てみよう」と笑った。「非凡な才能に恵まれ、しかも若い。(22歳の)ポール・スキーンズ(パイレーツ)とほぼ同年代だと今日、聞いた。ユニークで特別な才能の持ち主。願わくば(争奪戦の)ミックスの中に入りたい。組織として協議していないが、数年前から我々はその存在を認識している」。23年の全米ドラフト1位で入団した今季、11勝、防御率1・96でナ・リーグ新人王の最有力候補とされる剛腕スキーンズの名前を出し、印象を述べた指揮官。ドジャース最有力とされる一方、全30球団が参入すると言われる“朗希獲り”へ参戦の意欲を語った。

 「25歳を待たずに今オフでのポスティング。驚いたか」という質問には「驚きはない。彼の状況(メジャー志向)を認識していたし、数年前にメジャーに来た大谷(翔平)の例もある。数年前から今年そうなる可能性があると聞いていたし、数週間前には『50―50(%)』の確率とも聞いたので、驚いたとは言えない。ただ、10月いっぱい(ワールドシリーズ)までシーズンが続いていただけに、急展開のように感じる」と答えた。

 2017年。当時23歳の大谷翔平投手(現ドジャース)が日本ハムから同システムを利用し、契約金231万5000ドル(約2億6000万円=当時のレート)、年俸54万5000ドル(約6100万円=同)でエンゼルスとマイナー契約した例を出し、“25歳ルール”を満たす「あと2年」を待たずに決めた判断は予想外ではなかったとした。

 朗希の投球は「ビデオで見た。3ケタ(100マイル=約161キロ)の直球にフォーク。性格的な部分や試合への熱量の高さなど、すばらしいと聞いている。そういうスキルセットがあり、こっち(メジャー)でエースとなり、支配的な活躍ができる男だと思う。山本(由伸・ドジャース)と佐々木は過去数年に渡って話題になっていた。去年は山本、そして朗希。特別な投手がメジャーに来ることを認識している」と指揮官。昨年の山本争奪戦では直接面談に出馬し、背番号「18」のユニホームを手渡すも、結果的にドジャースにさらわれた。果たして、今回はド軍優勢の下馬評を覆せるか。

 ブーン監督は来季が8年目。監督としての通算成績は603勝429敗。今季は94勝68敗でア・リーグ東地区を制覇。15年ぶりにワールドシリーズに進出したが、ドジャースに1勝4敗で敗れ、2009年以来の世界一を逃していた。

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