”無傷の侍”大勢が3人斬り 今永&則本の大記録を超えられるか

最後を締めた大勢(左)は清宮とハイタッチ(カメラ・上村 尚平)

◆ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024 日本7―1チェコ(9日・バンテリンドーム)

 「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024」の第1戦がバンテリンDで行われ、侍ジャパンがチェコに逆転勝ち。13日に初戦を迎える「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」へ順調な調整ぶりを見せた。守護神に指名されている巨人・大勢投手(25)は9回1イニングを3人斬り。リーグ優勝との“ダブル胴上げ投手”に向け、万全をアピールした。また、途中出場の日本ハム・清宮幸太郎内野手(25)は7回に適時二塁打を放ち、“侍デビュー”を飾った。

 最後は剛球でねじ伏せた。9回2死。大勢が代打・ブベニークにこの日最速タイの155キロ直球を投じると、バットが折れる鈍い打球音が響き、三ゴロで試合を締めた。「3人で抑えられて良かった」と本大会前最後の実戦で1回無安打。侍デビューから9戦連続無失点とし、日本初のシーズン&主要国際大会のW胴上げ投手へ予行演習を完了した。

 1死からは巨人の同僚で育成・フルプと対戦。試合前には戸郷、井上も含め巨人勢で和やかムードで記念撮影をしたが、マウンドでは真剣勝負で1ボールから152キロで一邪飛に抑えた。「フルプには投げたくないなと思っていたらフルプでしたね」と投げづらさもあったが、きっちり同僚を封じた。

 CS後、宮崎合宿までの約1週間は心身の疲れを取ることを最優先に過ごし、宮崎から徐々に状態を上げた。上昇の余地があるとしていた直球も「力感なく体を使いながらリリースを合わせていくイメージ」で調整。投球練習時に動画を撮ってもらいながら感覚をすり合わせた。「(登板前の)投球練習で156(キロ)と見えた瞬間ちょっと力んじゃいました。それが良くないところ」と頭をかいたが、調整は順調だ。

 井端監督は「大勢投手を出した時には勝ったと思っている。1球目は球を追えなかったので『速いな』と思いました」と絶大な信頼を口にした。日本の初戦は13日・オーストラリア戦(バンテリンD)。「僕の役割はしっかり勝利で試合を終わらせること。状態も上がってきている。そういうときにけがが起こりやすいんで、けがなくやりたい」と侍守護神。丁寧に最後の調整を施し、万全の状態で本番を迎える。(田中 哲)

 ◆記録メモ

 ▼デビュー9試合連続無失点 大勢(巨)が9回に登板し、無失点。侍ジャパンでは、22年11月の強化試合対日本ハム戦から9登板(日本球団相手の3試合を含む)、9イニングを投げ無失点だ。日本代表では、則本(楽)が14年初登板から12回連続無失点。今永(D)が17年初登板から、無失点を19イニング続けた例があるが、大勢はどうか。

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