「よくここまで」阪神・藤川監督、ソフトバンク和田に贈った言葉明かす メジャー流で引退左腕ねぎらった

カブス時代の同僚・和田投手(右)、メッツ時代の松坂氏(中央)と写真に納まる藤川氏(本人提供)

 ソフトバンク・和田毅投手(43)の現役引退を受け、同じ“松坂世代”も次々とねぎらいの言葉を寄せた。カブスでチームメートだった阪神・藤川球児監督(44)は米国流で現役引退を“祝福”した。

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 4日の夜、藤川監督の電話が鳴った。着信の相手は盟友の和田だ。「現役続行の連絡かな」と思いながら電話に出ると、引退の報告。いろんな感情が交錯したが、一番伝えたかった言葉は「おめでとう」だった。

 「『おめでとう。コングラチュレーション』と言うと、毅(和田)も『そうだよね』って。メジャーでは、たくさんのハードルを乗り越えてよくここまで来たねってことで、そう言うんですけど。いろんな経験をすると、そこの境地にたどり着く。周りに感謝ができる」

 なぜ、ユニホームを脱ぐのか。理由も納得した。

 「コンディションの話を聞いた時に、自分が引退した時と全く同じ。自分への許容範囲ですよね。力がなければいけないといったところのレベルが高いんだと思う。リカバリーもなかなかできない。気持ちが少し落ちると痛みが出てきたりとか、気力で戦っている部分に気づいてしまうとかね」

 しのぎを削った同志。27年前の記憶がよみがえる。

 「高知商2年の時に、彼がいた浜田高校と練習試合をしたんです。僕は左打者なので、彼のカーブに腰が引けて後ろに座り込むくらいだった記憶があって。プロ入り後もランニングをよくする選手で、自分の体をコントロールすることにすごく、たけていた。この年齢までできて本当にすごい」

 一緒に日の丸を背負い、カブスでは同僚。14年8月にニューヨークでメッツ・松坂を交えて決起集会も開いた。3人ともトミー・ジョン手術を経験し「苦しんだ日々を共有できたことは何ものにも代えがたい」。今後の人生にエールも送った。

 「『まだこちらの世界に来たらダメ』って言っていたんですけど。同学年で最後だったのでね。本当に最高のレフティーでした。僕はこの世界にユニホームで戻ってきたので、お互い大切に自分の時間を生きていると、またどこかで出会うことになると思う。彼の次のステージもまた素晴らしい世界がある。だから『おめでとう』としか思わない」

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