ヤンキース主将ジャッジのWS初本塁打は空砲に 悲願達成ならず「死ぬまで忘れることはないだろう」

◆米大リーグ ワールドシリーズ第5戦 ヤンキース6―7ドジャース(30日、米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム)

 2009年以来15年ぶり世界一を目指していたヤンキースは、ワールドシリーズ(WS)史上最大となる5点差をひっくり返される逆転負けを喫し、対戦成績1勝4敗で28度目のワールドチャンピオンへの夢はついえた。主将のアーロン・ジャッジ外野手が初回にWS自身初のホームランとなる2ランを放ち、ヤ軍が先制した試合。ジャズ・チザム内野手が2者連続となるソロも放ったが、勝利にはつながらなかった。

 試合後は、紳士的なジャッジらしく、口を開いた。「まずは、ドジャースにおめでとうと言いたい。彼らは立派に仕事を成し遂げた」と相手を称えた。そして続けたのは、自らのミスについてだった。

 守備の乱れから一気に崩れたのは5回。4回まで無安打の先発コールが、先頭のE・ヘルナンデスに初安打となる右前安打を許すと、続くエドマンの中飛をジャッジがまさかの落球。スミスの遊ゴロをさばいたボルピが三塁へ悪送球で無死満塁とされる。二死となって、ベッツは一塁前のゴロとなったが、コールがベースカバーをしておらず(記録は一塁内野安打)で1失点。流れを手放すと、フリーマンの中前2点適時打、T・ヘルナンデスの2点二塁打で、試合を振り出しに戻された。

 「我々はミスが、結局は痛い結果になってしまった。ドジャースのようないいチームにああいうミスをして、アウトを無駄にしてはいけない。5回のラインドライブ(中飛落球)は私のミス。シリーズ序盤には走塁ミスもした。それらは私のせいでミスになった」

 0勝3敗から史上初の2連勝というWS史上例がないシリーズ制覇を目指したが、届かなかった。「ワールドシリーズであと一歩及ばなかったことは、多分、死ぬまで忘れることはないだろう」。悔しさをあらわにして、静かに背番号99の今季は終了した。

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