ドジャースWS制覇で光ったロバーツ監督の手腕…スター軍団まとめ、故障者続出でも好采配連発

◆米大リーグ ワールドシリーズ第5戦 ヤンキース6―7ドジャース(30日、米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が30日(日本時間31日)、ワールドシリーズ第5戦の敵地・ヤンキース戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、ドジャースが7-6で勝って4勝1敗でヤンキースを倒し、20年以来4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに輝いた。大谷はメジャー7年目で初めて出場したポストシーズンで一気に頂点まで駆け上がり、山本由伸投手(26)は、メジャー1年目にして歓喜の瞬間を迎えた。

 ドジャースは、13年から12年連続でポストシーズンに出場し、22年からは3年連続で地区優勝。直近12年で11度の地区優勝と、圧巻の強さを見せている。ワールドシリーズ制覇は、20年以来4年ぶり8度目。ただ、同年は新型コロナウイルスの影響でレギュラーシーズンが60試合の短縮シーズンだったため、フルシーズンでの頂点は、1988年以来36年ぶりとなった。

 大谷、山本がともに大型契約で加入。それだけでなく先発ではグラスノー、打者ではT・ヘルナンデスと、常勝軍団らしく、エース格、4番クラスが次々に加入した。投手ではカーショー、打者ではベッツ、フリーマンとMVP経験者も在籍。まさにスター軍団となった。

 そんなチームをまとめたのは、間違いなくロバーツ監督だった。今季は開幕からカーショーが不在で、山本やベッツらもシーズン途中に故障で長期離脱を強いられるなど、けが人が続出。それでも先発では昨季まで1勝のみのストーンが11勝、打者では新人のパヘスを積極起用するなど、若手の成長も促しながら信頼して使い続け、レギュラーシーズンでは全30球団最多の98勝を挙げた。

 16年に就任してから全9年でポストシーズンに進出したが、今季も決して平坦な道のりではなかった。レギュラーシーズンで先発を支えたグラスノーとストーンが故障で離脱。先発は実質的に山本、フラーティ、ビューラーの3人のみで、山本は故障明けで中5日以上の登板間隔が必要で、ビューラーもレギュラーシーズンでは1勝のみと、苦しい台所事情だった。救援もリーグ優勝決定シリーズではベシア、ワールドシリーズではフィリップスと中心投手が次々に離脱。野手でもフリーマン、ロハスのベテラン勢が故障をかかえ、頼みの大谷も左肩を負傷した。

 それでも不足する先発陣には、ブルペンデーを加えて好調だった救援陣を生かし、野手陣は複数ポジションを守れるエドマン、E・ヘルナンデスらを有効的に起用して勝利を積み重ねた。ロバーツ監督の采配が光ったシーズンにもなった。

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