巨人の長身左腕、直伝「杉内チェンジ」で「来年は先発」 戦力外の同い年の直江らの分も「頑張りたい」

ブルペンでチェンジアップを試投する横川(カメラ・池内 雅彦)

 巨人・横川凱投手(24)が30日、“杉内チェンジ”の習得と来季の先発ローテ入りを誓った。杉内俊哉投手チーフコーチ(44)から現役時代に決め球に使っていたチェンジアップを伝授され、幅を広げるため取り組むことを明言した。

 横川は食い入るように杉内投手チーフコーチの手元を見つめた。話を聞いてはうなずき、握りを確かめながら腕を振った。G球場のブルペンで杉内コーチから助言をもらいながら、新球・チェンジアップを試投した。「去年の秋からやっていたんですけど、なかなかしっくりこなかった。この時期にもう一回取り組もうと。来年は先発で投げられたら最高なので、そこを目指して練習していけたら」。“杉内チェンジ”の習得で1軍ローテ定着を目指す。

 今季は途中2軍降格も経験しながら、シーズン終盤にブルペンを支えて先発、中継ぎ計12登板で3勝1敗、防御率0・94でリーグ優勝を経験した。CSでもマウンドに立った。チェンジアップは昨秋に内海投手コーチにも教えを仰ぎ、ファームの試合では試したこともあったが、完全マスターには至っていない。

 「フォークとか結構球速が出るので、緩急を付けられれば幅が広がる」と意図を説明したように、直球は140キロ台中盤、フォークも130キロ台後半で球速差は大きくない。別の球速帯となるチェンジアップの再挑戦を決意し、今回は杉内コーチに弟子入り。「握りは違う。自分の形を見つけられるように話を聞いてやっていきます」と試行錯誤を続けていく。杉内コーチも「初日にしてはよかった。ヨコ(横川)は7、8勝ぐらいできる投手だと思う。少しずつレベルアップしてもらえたら」と期待した。

 仲間の分まで結果を残す。同期入団で同い年の直江、さらに大阪桐蔭の同級生で日本ハムの柿木も戦力外が発表された。「大ちゃん(直江)が1軍で投げたり、ファームでやっている時もすごい刺激を受けた。柿木も大阪桐蔭でエースとして引っ張ってくれて憧れの存在でもあった」と思いを口にした。「大ちゃんには『一緒にはできないけど俺の分まで託した』と言われたので、頑張りたい。1日1日無駄にしたくない」。全体練習が終わってもブルペンに残って腕を振り続けた。熱い思いを胸に結果を残す。(水上 智恵)

 ◆杉内投手チーフコーチのチェンジアップ フォークのように鋭く落ち、直球との緩急差をつけたチェンジアップが持ち味で奪三振率の高さを支えた。人さし指と薬指で挟むように握り、中指を浮かせて思い切り腕を振るスタイル。「困ったときはチェンジアップ」と語り、自身も信頼を置く得意球たった。

 ◆G横川の球種 ストレート、フォーク、カットボール、スライダー、ツーシーム、シンカー、カーブ

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