【ドラフト】DeNAから1位指名の三菱重工West・竹田祐、果たした親子の約束 父・勉さん「生きてきて、こんなにうれしいことはない」

DeNAから1位指名された三菱重工West・竹田祐投手(中央)。左は父・勉さん、右は母・あきえさん

◆2024年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(24日)

 三菱重工Westの竹田祐投手が3度目の正直をかなえた。明大4年時、昨年と2度の指名漏れを経験したが、DeNAから外れ1位で指名。兵庫・高砂市内の同社施設で会見し「まさか1位と思っていなかったのですごくビックリしました。2回も悔しい思いしたので。そしてやっと入ったプロの世界。一生懸命、頑張りたいです」と意気込んだ。

 昨年10月26日のドラフト会議。同じように指名を待ったが、最後まで名前は呼ばれなかった。愛息を心配した父・勉さん(53)は大阪府内の自宅から駆けつけ、竹田を食事に誘い出した。

 「食欲がなくて、おすしも食べてなかったですけどね。その中で息子が『来年は絶対にやり返したい』と言いましてね」。竹田は悔しさを押し殺すように家族の前で「来年は1位目指す」と宣言。勉さんも「1位になれへんかったら、それがもう限界ということや!」とケツをたたいた。

 「本当の気持ちで言うたら、何位でもいいから息子の夢をかなえてほしいと願っていた。それが1位に来たので。本当にビックリで、ものすごいビックリで。こんなに高い評価をしてもらえて。生きてきて、こんなにうれしいことはなかったですね」

 勉さんは近大、社会人のマイカルベアーズでレシーバーとして活躍した元アメフト選手。竹田の弟・剛(ごう)さんも立命大のアメフト部で甲子園ボウルを目指すスポーツ一家だ。幼少の頃から父の練習に通い、楕円(だえん)球を投げていたのが、竹田の投手としての原点だった。

 「子どもの頃から自分のやりたいことに対して真面目人間なんで。指名漏れしてから、股関節のトレーニングとか、インナーを鍛えたり、とことんやっていた。春先から結果出て、最後こんなことになって、本当に努力したと思います」と取材を受ける竹田に温かいまなざしを送った勉さん。父子が交わした男の約束は、364日後に結実した。

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