「僕からしたらスーパースター」巨人・小林誠司に憧れるアマNO1捕手…ドラフト逸材紹介

指名を待ちわびる日本生命の石伊雄太捕手

 スポーツ報知では「本紙選定 個性派ドラフト候Ho!」と題して、担当記者が“推し”選手を取り上げる。最終回は、日本生命の石伊雄太捕手(24)。会社の先輩・巨人の小林に憧れるアマチュア球界NO1捕手が、自身2度目のドラフトで指名を待つ。

 日本生命の石伊は、アマチュア球界トップ捕手と評される。名門で1年目から正捕手を担う24歳は「立ち居振る舞い、技量を含めて、チーム全体から『こいつじゃないとダメ』と思われたい」とプロ入り後を思い描き、練習に明け暮れる。

 近大工学部では、3年秋に最優秀選手賞、ベストナインは5度(外野手で1度)獲得。4年時にプロ志望届を提出したが、“3位縛り”だったこともあり、指名漏れして日本生命に進んだ。二塁送球タイムは平均1秒9。1年目から都市対抗、日本選手権の全6試合で先発マスクをかぶった。課題の打撃では「印象に残そうと思ったら、やっぱりここぞの一本」と、5月の都市対抗出場を決めた試合で9回に決勝打。ヤクルト・橿渕スカウトグループデスクが「大学時代と比べて力強さが付いてきている。アマ球界でトップクラスの捕手」と評価するなど、着実にレベルアップしてきた。

 「僕からしたらスーパースター」。石伊がそう語るのは巨人・小林。ともに日本生命でプレーし、現在の背番号は22。小林も同大時代に指名漏れしたが、日本生命で1年目から活躍し、強肩を武器に13年ドラフト1位で巨人に入団した。石伊は、試合中のジェスチャーなどの所作を参考にしている。「キャッチャーとしての動きが一つ一つかっこいい、顔もですね(笑い)。ユニホームの着こなし方とかも」。使用するミットはモデルも色も同じ。強い尊敬のまなざしを向ける。

 1学年上の阪神・湯浅とは幼なじみ。今でも交流があり、仲の良さは変わらない。「あっくん(湯浅)はすごく自分を持っている。高校からプロ一本に絞って独立(リーグ)に行くくらい、プロに懸けていたから1年で入れた。そういう気持ちでやっているんだと、つくづく感じていた」。再び同じ舞台に立てる日を静かに待つ。(瀬川 楓花)

 ◆石伊 雄太(いしい・ゆうた)2000年8月18日、三重・尾鷲市生まれ。24歳。宮ノ上小4年から軟式の尾鷲野球少年団で始め、尾鷲中では伊勢ボーイズに所属。近大高専では2年秋から背番号2でベンチ入り。甲子園出場なし。近大工学部では1年春からリーグ戦に出場。遠投115メートル。179センチ、83キロ。右投右打。

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