巨人ドラ1指名 関大・金丸夢斗が最有力 世代最強左腕は競合必至…くじ順最後も阿部監督「残り物に福がある」

関学大戦で8回から登板、1回を3者凡退に抑えた関大・金丸(カメラ・渡辺 了文)

 巨人が24日のドラフト会議で関大・金丸夢斗投手(21)を1位指名する可能性が高いことが22日、分かった。東京・大手町の球団事務所で阿部監督も入ってスカウト会議を実施。水野スカウト部長は「公表しません」と明言を避けたが、今回のナンバーワン投手と注目される最速154キロ左腕が最有力に浮上した。競合覚悟で勝負し獲得できれば、メジャー挑戦する方向となっている今季15勝の菅野の穴を埋める即戦力として期待がかかる。

 悔しいCS最終S敗退から一夜明け、阿部巨人が来季に向けて動き出した。スカウト会議を行い、今ドラフトのナンバーワン投手と注目される関大・金丸が1位指名の最有力に浮上したもようだ。2025年こそ日本シリーズに出て日本一になるため、競合覚悟で最速154キロ左腕の獲得を目指すことになりそうだ。

 今春に腰を痛めた影響で秋の関西学生リーグは短いイニングのリリーフ登板に専念したが、その中でも抜群の安定感を披露。23年秋から今秋まで72イニング連続自責点0で大学野球の全日程を終えた。2回無失点だった12日の関学大戦は、視察した巨人の岸スカウトが「復帰してからも状態が安定している」と力強い投球をチェックしていた。

 巨人は今季15勝を挙げて最多勝、最高勝率のタイトルを獲得した菅野が海外FA権を行使してメジャー挑戦する。12勝の戸郷、10勝の山崎伊、8勝の井上、6勝のグリフィンが先発陣にいるが、菅野の穴埋めは来季の大きなカギになる。

 CSは6試合で計9得点と打線が沈黙。打者の底上げも不可欠だが、慎重に検討し、ドラフト1位指名は菅野が抜ける可能性が高いことを最大の判断基準としたようだ。

 金丸は3月に行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本VS欧州代表」にプロに交ざって参加して2回4奪三振と快投。侍ジャパンの井端監督が「大学生の中でも群を抜いて制球力がいい。左で150キロを超えて左打者の内角をどんどん突けるというところでは大学生の中でも抜けている」と高評価した。

 スカウト会議後、水野スカウト部長は1位指名について「一応これでいこうかっていう感じです」と一人に絞ったことを示唆した上で「公表はしないです。あさってのお楽しみ」と言葉を濁した。抽選となった場合のくじ引き役については「監督でしょう」と昨年のドラフトで西舘を引き当てた阿部監督に託す。

 大役の指名を受けた指揮官は、1位指名選手について「その一人を言っちゃうと面白くないからね。だけど、競合覚悟でいこうかと言っているので」と決意。リーグ優勝した巨人はくじを引く順番が最後で「引きに行きますよ。残り物に福がある。そう思って行くしかないからね」と意中の選手と縁があることを願う。

 今ドラフトは金丸と内野手の明大・宗山に人気が集中する見込み。投手で競合が予想されるのは金丸のみで、即戦力の先発投手が何としても欲しい巨人の補強ポイントに合致するのが金丸だ。22年の浅野(2球団)、昨年の西舘(2球団)と1位の抽選は2連勝中。金丸には競合覚悟で勝負に出る実力と魅力がある。

 ◆金丸 夢斗(かねまる・ゆめと)2003年2月1日、神戸市生まれ。21歳。小学1年時に野球を始め、3年時から本格的に投手。広陵中では軟式野球部。神港橘では1年秋に背番号10でベンチ入り。3年夏の県独自大会8強入り(コロナ禍のため5回戦で打ち切り)が最高成績。関大では1年秋からリーグ戦登板。最速154キロを誇り、関西学生リーグ通算20勝。177センチ、77キロ。左投左打。

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