【巨人】左手甲骨折の萩尾匡也が逆襲誓う「選手としてグラウンドに立つことが一番」CSでは円陣の声出しで鼓舞

萩尾匡也

 左手甲骨折で離脱中の巨人・萩尾匡也外野手がポストシーズンで出場なしに終わった苦い経験を糧に、定位置を奪取する。負傷の影響もありCS最終ステージは出場選手登録されなかった。それでも、3連敗で崖っぷちとなった第4戦以降に円陣の声出し役としてチームを鼓舞。日本一達成へ来季は自らのプレーで勝利に貢献する決意をにじませた。

 葛藤があった。明るいキャラクターの落ち着いた口調が、物語っていた。CS敗退から一夜明けた22日はジャイアンツ球場でリハビリ。「今だから言いますけど…」と切り出し、偽らざる思いを口にした。

 「やっぱり複雑な思いでやってたんで。円陣に関しても。やっぱり選手、プレーヤーとしてグラウンドに立つことが一番でやってきたんで」

 チームのために何とか貢献したい。そのために円陣で鼓舞する役割を引き受け、全うした。そこにうそは何一つない。「チームが勝つとうれしさはあるし、少しでもチームのために、という思いでやっていた」。ただ、野球選手としてプレーできていないことが悔しかった。自らにいら立ちを覚えた。「見てて、歯がゆさはやっぱりありましたね」と心境を明かした。

 飛躍の土台は整いつつある。プロ2年目の今季はプロ初本塁打を放つなどブレイクの兆しを見せた。56試合に出場して、打率2割1分5厘、2本塁打、12打点。シーズン序盤は1番や5番を任されることもあるなど存在感を示したが、中盤戦以降は壁にも当たった。「(成績が)落ち始めた時にいろんなことを考え過ぎた」と振り返る。ファームでは直球への対応をテーマに設定。「いい取り組みができた」と、1軍での最終盤の打撃には好感触を得た。

 リーグV決定後の9月29日のヤクルト戦(神宮)で死球を受けて骨折。それでも、諦めることなく日本シリーズでの復帰を目指してハイペースで調整してきたこともあり、患部は順調に回復している。ギプスは当初の予定より10日ほど早く外れた。今月中には両手での打撃練習を行う見込みだ。「次は優勝の瞬間にグラウンドに入れるようにしたい。やるしかない。見てて嫌な思いはもういいです」と、真剣なまなざしで覚悟をにじませた。チーム屈指のムードメーカーは、持ち前の明るさとバットで存在価値を示していく。

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