“得点圏の鬼”大谷翔平、勝てばWS進出の大一番でも中前適時打 松井秀喜に次ぐ日本人2人目のPS10打点

◆米大リーグ ナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦 ドジャース―メッツ(20日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース大谷翔平投手(30)が20日(日本時間21日)、4戦先勝のリーグ優勝決定シリーズ第6戦、本拠地・メッツ戦に「1番・DH」で先発出場。この日から登場曲をマイケル・ブーブレの「Feeling Good」に変更して臨み、3点リードの6回無死一、二塁の第4打席は4番手右腕・スタニクから中前適時打を放った。フルカウントからの7球目、98・4マイル(約158・4キロ)直球をはじき返し、前進しながらスライディングキャッチを試みたセンターも一歩及ばなかった。

 ポストシーズン(PS)での得点圏はこれで9打数6安打の打率6割6分7厘に。パドレスとの地区シリーズ(4打点)と合わせてPSでは10打点目となった。同一PSでの2ケタ打点は3度(03、04、09年)記録している松井秀喜ヤンキース)に次いで2人目の快挙となった。

 メッツ先発は第2戦で好投を許したインステップからサイド気味で投げてくる変則左腕・マナイアだった。大谷自身も3打数無安打2三振と完璧に封じられたが、再戦となったこの日は登場曲を変えて臨み、1点を追う初回先頭の第1打席で4試合連続安打となる中前打。その後4番・エドマンの2点二塁打で生還した。

 2回1死一塁での第2打席は空振り三振。4回先頭の第3打席はメッツの守護神・ディアスの前に捕邪飛に倒れた。

 第4戦ではプレーボールから21秒後の初回先頭でキンタナの2球目を捉え、打球速度117・8マイル(約189・6キロ)で右中間の敵軍ブルペンに打ち込んだ。PSに入り、26打席目で生まれた走者なしでの初安打が日本人選手初のPS先頭打者アーチとなった。PSに入り、それまで無走者では22打数無安打(3四球)だったが、怪現象に終止符を打った。

 第5戦では初回に右前打で出塁したが、その後無死二、三塁から三塁走者としてT・ヘルナンデスの遊ゴロで本塁に突入することなく、ロバーツ監督から「内野が下がっていたし、体が固まってしまったんだと思うけど、言い訳にはならない」と珍しく苦言を呈された。しかし、前日19日(同20日)にはエベル三塁ベースコーチと話し合いの場を持ち、気持ちを整理してこの日に臨んでいた。

 今シリーズはここまでド軍の3勝2敗。勝てば球団4年ぶりのワールドシリーズ(WS)進出が決まる大事な一戦だ。大谷は第5戦を終えた段階で打率3割3分3厘、チーム最多タイの2本塁打、5打点と貢献度は高く、日本人では13年の上原浩治(レッドソックス)以来、野手としては初のリーグ優勝決定シリーズMVPの可能性もある。

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