抑えないと「温かさ保ってしまう」 巨人・戸郷翔征「初回から飛ばして」DeNA打線冷やす

先発でDeNAを相手に先陣を切る戸郷(カメラ・小林 泰斗)

 巨人の戸郷翔征投手(24)が16日から始まるDeNAとのCS最終S第1戦で、初回からアクセル全開で飛ばすことを誓った。大事な初戦での先発を任されたエースは真っすぐと前を向き「シーズンと違って長いイニングを投げて勝ちをつけるだとかそういうことは本当関係ない。一人一人の打者、一球一球を集中しながら、任されたイニングを投げ抜くことが短期決戦で強いチームの真骨頂だと思う。初回から全力で飛ばしていけたら」と強い覚悟を言葉に込めた。

 相手の勢いを食い止める。第1Sで阪神相手に2試合計13得点を挙げるなど打線が好調なDeNA。「僕が抑えるか抑えないかで、その後の試合の打線の温かさも保ってしまうと思う。すごい大事なことだと分かっているので、得点を与えず、ヒットを打たれても全部抑えて、後ろにしっかりいい形でつなげたい」。背番号20は今季、DeNA戦5試合に先発して1勝2敗だが、防御率は1・54と決して相性は悪くない。相手打線をフリーズさせて、シリーズの流れを呼び込む。

 ゼロが並んだスコアボードは、常に頭の中に膨らませている。「勝つイメージは毎回立てています」とメンタル面も含め、万全の準備は整えている。1勝のアドバンテージもあるだけに「明日勝つとすごい有利に試合を進められる。大事な試合だということは分かっているので、全力で勝ちにいきたい」。ただ勝利のために、真っすぐ突き進む。

 15日は東京Dでキャッチボールや遠投、短距離ダッシュなどで最終調整し、戦いに備えた。今季は自身初の開幕投手を務め、日本一へ向けてチームのCS開幕投手も託された。「日本一を体験してない選手は僕を含めてすごい多い。体験すると、チームもより強くなると思いますし、その頂に行けるよう、ファイナルステージを突破したいと思います」。まだ見ぬ景色へ。若きエースがチームに勢いをつける。(水上 智恵)

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