欠場の吉川尚輝を日本Sへ…岡本和真「負けたら責任を感じてしまう。僕たちがカバーして勝つ」巨人いざCS最終S

練習でノックを受ける岡本和真(カメラ・宮崎 亮太)

 巨人とDeNAが激突する「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」最終ステージ(S)が、16日から東京Dで始まる。4年ぶりにセ・リーグを制した巨人・岡本和真内野手(28)は「先手必勝」で勝ち上がる決意を示した。吉川尚輝内野手(29)がろっ骨付近を痛めた影響で出場登録が見送られることになった中、一丸でカバーしていくことを強調した。

 乾いた音を残し、打球はバックスクリーンへと伸びた。悲願の日本一へ準備はできた。いよいよ始まる戦いを前に、岡本和の心は早くも燃えたぎっていた。

 「早く試合がしたいと思って過ごしてきたので、やっと試合ができるのはうれしい。緊張感のある試合を早くしたい」

 仲間の思いを背負って戦う。今季、全試合で先発出場した不動の二塁手・吉川がろっ骨付近を痛めてCS最終Sで登録を外れることになった。岡本和も左脇腹痛の影響で21年のCSを全試合欠場した経験があるだけに、悔しい気持ちは痛いほど理解する。「やっぱり最後までやりたかったと思う」。背番号2の穴は大きいが、全員一丸で埋めるしかない。主将らしくチームの思いを代弁した言葉の端々から熱い決意がにじみ出る。

 「シーズンを一緒に戦ってきて、すごくチームにとって痛いんですけど、負けてしまったら(吉川が)もっと責任を感じてしまう。そうならないように僕たちがカバーして勝てたらいい」

 シーズン終盤に3番を担っていた吉川が不在となれば、より4番にかかる期待は大きい。短期決戦の難しさを理解した上で臨むつもりだ。19年はCS最終Sで15打数8安打、3本塁打、7打点でMVPを獲得。日本シリーズへと導いた。その一方で、18年は第1Sからの5試合で18打数1安打、1打点に終わり、最終Sで敗退。「(シーズンとは)違いますね。パパーンと打てたら乗っていけるし、そうじゃなかったら(調子を)戻す前に終わっちゃうので、その難しさは経験した」。21年は負傷で欠場しており、5年ぶりの舞台。「あの頃よりは成長してると思う」と自信をのぞかせる。

 短期決戦のポイントには「先手必勝」を掲げる。「先に点を取る、先に勝ったほうが有利に進んでいく。そうなるように先制点を取るとか先に点を与えないとかを大事にしていけるように」。今季両リーグトップとなる21度の勝利打点を挙げるなど、無類の勝負強さを誇る。「(先制打は)もちろん打てればいいなと思いますけど、誰がとかは関係なく役割を果たしていかないといけない」。フォア・ザ・チームを強調しつつ、自身のバットに誰よりも大きな期待がかかっていることは分かっている。

 まず初戦はケイと相まみえる。「いいピッチャーですし、なかなか点を取れるとは思ってない。少ないチャンスをものにできたら」。今季、打率4割1分7厘、2本塁打と好成績を残しているが、油断は全くない。12年ぶりの悲願達成まで、あと7勝だ。「一個一個、勝って日本一になれるように頑張りたい」。熱い気持ちを胸にチームを頂へと導く。(宮内 孝太)

 ◆G岡本和と21年CS シーズンは全143試合に出場してチームをけん引したが、阪神との第1S(甲子園)を左脇腹痛の影響で欠場した。ヤクルトとの最終S(神宮)全3試合も欠場。岡本和が出場しなかったチームは、ヤクルトに敗れた。

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