巨人主軸がシート打撃で快音連発!坂本が、岡本が、丸が名場面再現だ

シート打撃でバルドナードから左翼へ大飛球を放つ岡本和真(カメラ・岡野 将大)

 巨人の坂本勇人内野手(35)、岡本和真内野手(28)、丸佳浩外野手(35)が12日、16日からの「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」最終ステージ(S)に向けて順調な調整ぶりを示した。東京Dで行われた全体練習でシート打撃が行われ、チームの命運を握る主力野手陣が次々と快音を奏でた。CS第1Sがスタートする中、12年ぶり日本一へ、準備は着々と進んでいる。

 静寂の東京Dに甲高い音が響き渡る。頂点を目指す戦いへの決意がこもった強烈な打球が次々飛んだ。フリー打撃後に行われたシート打撃。坂本は平内の真ん中高め直球を完璧に打ち砕いた。痛烈なライナーで平内の左横を抜けていく中前安打。「投手の球を見れたので良かった。(間隔が空いたが)そんなに変な感覚とか嫌な感じはなかった」。CS第1Sが開幕する裏で、坂本を筆頭に岡本和、丸らが快音を残し、順調な仕上がり具合を見せつけた。

 充実ぶりが頼もしい。2日にシーズンを終えると、16日からのCS最終Sへ向けて準備を進めてきた。坂本と岡本和は宮崎での「みやざきフェニックス・リーグ(L)」には参加せずに東京Dでじっくり調整。実戦形式は9月28日の広島戦(マツダ)以来、14日ぶりとなった中で、坂本はバルドナード、平内と対戦。「タイミングを確認した」と、テーマを設定しながら、平内からの中前安打など3打数1安打。今月2日のDeNA戦(東京D)以来10日ぶりの岡本和はバルドナード、平内、高梨と3打席。安打こそなかったが、左翼フェンス際への大飛球や、二塁へのライナー性の打球を放った。「意外とシーズンと変わらずに入れた。打撃練習では生きた球は見られないので良かった」と、収穫を強調した。

 打撃を見守ったコーチ陣も納得の表情だった。二岡ヘッド兼打撃チーフは「(坂本と岡本和は)多めに打席に立ってもらった。(状態は)いいんじゃないかな」。矢野打撃コーチも「(間隔が)空いているとか関係なく、捉えらえていた。問題ない」とうなずいた。フェニックスLに志願参加し、実戦勘を養っていた丸は1打席のみで、痛烈な中直。結果より内容が重視される状況で、各選手が意義ある打席を積み重ねた。

 ポストシーズンでは一線級の投手との対戦が続き、1点の重みが増す。今季、チームは先制試合で60勝15敗3分け、リーグトップの勝率8割を誇っているだけに、投手陣が先に点を許さないと同時に、打線が先取点を奪えるかが大きな分岐点になる。今季全試合で4番の岡本和が「打たないといけないポジションでやっている」と意気込むように、上位や中軸を担う丸、岡本和、坂本の活躍は欠かせない。これまでの短期決戦で何度も勝利へ導いた経験豊富な男たちの実戦勘に狂いがないのは頼もしい。

 16日からCS最終S(東京D)が幕を開ける。日本一達成まではあと7勝(巨人はCSで1勝のアドバンテージ)。止まるつもりはない。抜かりない準備で頂へと歩んでいく。(宮内 孝太)

 ◆坂本のCS名場面 ▼12年10月20日(最終S第4戦・中日戦=東京D) 3連敗で1勝3敗と土俵際で迎えた一戦。3回1死二塁で川上から左翼線へ先制V二塁打を記録した。ここからチームはCSを突破し、日本一にも輝いた。

 ▼CS通算 率.241 本7 点16

 ◆岡本のCS名場面 ▼19年10月13日(最終S第4戦・阪神戦=東京D) 0―1の5回先頭で西のスライダーをバックスクリーンへ運んだ。この3号同点ソロが勢いをつけ、チームは逆転勝ちで日本S進出決定。最終S4戦で打率5割3分3厘、3本塁打、7打点と大暴れで、セ・リーグの野手では最年少となるCSMVPを獲得した。

 ▼CS通算 率.273 本3 点8

 ◆丸のCS名場面 ▼19年10月9日(最終S第1戦・阪神戦=東京D) 初回2死で望月からバックスクリーン左へ先制ソロをマーク。CS弾は3年連続、最終S初戦アーチは2年連続で、これがV弾にもなった。広島時代の18年には3試合で打率4割、2本塁打3打点と躍動していた。

 ▼CS通算 率.258 本5 点15

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