元ロッテ・渡辺俊介ジュニア 東大・渡辺向輝を法大撃破へ導いた父との電話

リーグ戦初勝利を喜ぶ東大・渡辺

◆東京六大学野球秋季リーグ戦第5週第2日▽東大3X―2法大(13日・神宮)

 東大は法大にサヨナラ勝ち。“ミスターサブマリン”の異名を取った元ロッテ・渡辺俊介氏(48)を父に持つ渡辺向輝(3年)が、リーグ戦初完投で初勝利を挙げた。2―2の9回1死二塁で、7番・門田涼平内野手(2年)が右中間へ適時二塁打を放った。東大は6日の慶大戦に続き今季2勝目。17年秋以来7年ぶりとなるシーズン複数勝利で、1勝1敗のタイに持ち込んだ。明大も立大に雪辱した。

 151球の熱投が報われた。「泣きそうなくらい、うれしいです」。サヨナラ勝ちを呼ぶ打球が右中間で弾んだ瞬間、渡辺の頭の中は真っ白になっていた。「9回裏ということも忘れていた。『ウワーッ』という、言葉にならない気持ちでした」

 父と同じアンダースロー。マウンドの傾斜をなぞるように、低い位置で腕を振る。球速は120キロに届かなくても、ボールの軌道は異質だ。同点の8回。1死満塁のピンチを招いたが、徹底的に低めを突いて後続を三振、三ゴロに斬った。法大の大島公一監督(57)は「リリースが、あそこ(の低さ)から出てくる投手との対戦は少ない。慣れるのに意外と時間がかかる」と脱帽した。

 1週前の慶大戦で2敗を喫したあと、父から電話でシンカーの使い方のアドバイスを受けた。「(投球の)幅が広がった。成果が明らかに出ていたので、感謝したいです」と渡辺。“サブマリン伝説”の第2章が、秋の神宮で幕を開けた。(浜木 俊介)

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