ドジャースが大一番制す 山本由伸が5回無失点 大谷翔平は無安打も歓喜 パドレスは24回無得点で終戦

◆米大リーグ、地区シリーズ第5戦 ドジャース2―0パドレス(11日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ナ・リーグ西地区優勝のドジャースが同地区2位でワイルドカード1位のパドレスを下し、リーグ優勝決定シリーズに3年ぶりの進出を決めた。2勝2敗のタイで迎えた最終第5戦で2試合連続の完封勝ちを収めた。

 ドジャース・山本由伸投手(26)、パドレス・ダルビッシュ有投手(38)の初の投げ合い。ポストシーズン(PS)初の日本人先発投手対決が実現したが、白熱の投手戦となった。第1戦で3回5安打5失点KOされた山本は初回を3者凡退の立ち上がり。レギュラーシーズンを含め、パ軍相手に4試合目で初めて初回無失点で立ち上がった。対するダルビッシュも1番・大谷から空振り三振を奪うなど初回を無失点でスタートさせた。

 試合が動いたのは2回。ドジャースは2死から7番のE・ヘルナンデスが左中間へPS通算14本目となるソロを放ち、先制した。山本は直後の3回に1死から連打を食らい、一、二塁のピンチを背負ったが、好調のタティスをスライダーで三ゴロ併殺。4回は3者凡退、5回も先頭のボガーツから直球で見逃し三振を奪うなど走者を出さずに投げ終えた。2回には右肩負傷から復帰後最速となる98・2マイル(約158キロ)を計測し、5回2安打無失点と完璧な投球。ベンチでは大谷翔平投手(30)から頭をなでなでされるなど祝福を受け、笑みを浮かべた。負けたら終戦の大一番で12年総額3億2500万ドル(約465億円=契約当時のレート)の価値を証明した。

 一方のダルビッシュも2回2死に一発を浴びて以降は7回1死まで14者連続アウトと貫禄の投球。だが、4番のT・ヘルナンデスに左翼席へソロを許し、2発に沈んだ。6回2/3を3安打2失点と好投したが、援護なく投げ負けた。

 大谷はダルビッシュの前に空振り三振、三飛、空振り三振と沈黙。8回も3番手左腕・スコットから空振り三振と4打数無安打に終わったが、メジャー7年目で待望の初出場となったPSで勝ち進み、試合後は最高の笑顔でマウンド付近にできた歓喜の輪に加わった。

 パドレス打線は第3戦の3回から24イニング連続無得点で終戦。逆にドジャース投手陣は24イニング連続無失点で、MLB公式サイトのS・ラングス記者によると、PSの同一シリーズでの球団記録を更新する歴史的な好投となった。

 13日(同14日)からは本拠地で千賀滉大投手(31)を擁するメッツと対戦することが決まった。レギュラーシーズン最終盤から驚異的な強さを誇る“ミラクル・メッツ”を倒し、悲願のワールドシリーズ制覇にまた一歩近づくことはできるだろうか。大谷翔平山本由伸の旅はまだ続く。

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