大谷翔平の気持ちを楽にさせた1打席目のフルスイングでの空振り「自分の中でスッと入れる感覚」

◆米大リーグ・地区シリーズ ドジャース7―5パドレス(5日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が5日(日本時間6日)、チームの今季ポストシーズン(PS)初戦となる地区シリーズ第1戦、本拠地・パドレス戦に「1番・指名打者」でフル出場し、一時同点の3ラン、逆転につながる中前安打を放つなど、5打数2安打3打点の活躍を見せて、チームの初戦勝利に大きく貢献した。ドジャースは、22年の地区シリーズ第2戦から地区シリーズで6連敗を喫していたが、大谷が負の歴史を止めた。

 初回に先発した山本由伸投手(26)がマチャドに2ランを浴びるなど3失点。苦しい展開になったが、3点を追う2回2死一、二塁で、2打席目の大谷は右翼席へ同点の3ランを放った。打った瞬間から叫び続け、バットを一塁ベンチ方向へ放り投げるほどの興奮状態で、本拠地のファンは大きく盛り上がった。3回に山本が2点の勝ち越しを許したが、4回には1死一、二塁でバットを折りながら中前安打を放つと、相手バッテリーの暴投と、T・ヘルナンデスの2点適時打での逆転につなげた。そのまま4回から救援陣が無失点でリレーしドジャースは逃げ切った。

 大谷は前日4日(同5日)の会見の中で、5日間試合がなかったこともあって「まずは第1打席、大事にして入りたいと思います」と話していた。その初回先頭の1打席目は、いきなり3点を追うまさかの展開。カウント2―2から最後は左飛に打ち取られたが、2打席目での右翼への3ランにつなげた。

 大谷の中では1打席目に伏線があった。「(1打席目の)1球目にカーブが来たので、自分の中でちょっと気持ちが楽になったというか。そのカーブに対して1球目から反応できたなというので。ちょっと落ち着きというか、自分の中でスッと入れる感覚はあったかなと思います」。初球の高めの80・2マイル(約129・1キロ)ナックルカーブをフルスイングで空振り。その打席こそ凡退したが、2打席以降にしっかりつなげた。

 ポストシーズンは初舞台。「特別」、「興奮」などという言葉でその雰囲気を表した大谷だったが「興奮する中で、自分の打席、自分のスイングというのをまず、初戦でしたししっかりしたいなと思っていた。1打席目も打ち取られてはいたんですけど、感覚的にはそんなに悪くはなかった。2打席目もそれを継続していこうという感じでしたね」。逆転勝ちに大きく貢献した裏側には、凡退した1打席目が鍵を握っていたようだ。

ジャンルで探す