大谷翔平が見たフリーマンの男気「打線に必ず影響を与える」 強行出場の35歳が2安打1盗塁フル出場

◆米大リーグ・地区シリーズ ドジャース7―5パドレス(5日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が5日(日本時間6日)、チームの今季ポストシーズン(PS)初戦となる地区シリーズ第1戦、本拠地・パドレス戦に「1番・指名打者」でフル出場し、一時同点の3ラン、逆転につながる中前安打を放つなど、5打数2安打3打点の活躍を見せて、チームの初戦勝利に大きく貢献した。ドジャースは、22年の地区シリーズ第2戦から地区シリーズで6連敗を喫していたが、大谷が負の歴史を止めた。

 初回に先発した山本由伸投手(26)がマチャドに2ランを浴びるなど3失点。苦しい展開になったが、3点を追う2回2死一、二塁で、2打席目の大谷は右翼席へ同点の3ランを放った。打った瞬間から叫び続け、バットを一塁ベンチ方向へ放り投げるほどの興奮状態で、本拠地のファンは大きく盛り上がった。3回に山本が2点の勝ち越しを許したが、4回には1死一、二塁でバットを折りながら中前安打を放つと、相手バッテリーの暴投と、T・ヘルナンデスの2点適時打での逆転につなげた。そのまま4回から救援陣が無失点でリレーしドジャースは逃げ切った。

 背中でドジャース打線に火をつけたのは、「3番・一塁」でフル出場したフリーマンだ。35歳のベテランは、26日(同27日)の本拠地・パドレス戦で右足首を捻挫して途中交代し、その後の3試合を欠場し、状態が心配されていた。前日の4日(同5日)に「通常なら4~6週間のIL(負傷者リスト)入りだと(トレーナー陣に)言われた」と話していたほどだったが、この日も試合前のギリギリまで慎重に状態を見極めてスタメンに名を連ねた。

 すると、1打席目に右前安打を放つと、3回の2打席目も右前安打。さらにあろうことか、二盗も決めて見せた。レギュラーシーズンでは9盗塁だった男が、決して万全ではない右足首をかばいながら必死に走る姿には、歯を食いしばって出ていることを知っているドジャースナインの心に火をつけたことは間違いない。

 大谷も「やっぱり苦しい状況の中で、痛みもあると思いますし、その中で勝つために、ああやって一生懸命仕事する姿というのは、打線に必ず影響を与えるかなと思いますし、それは今日打線全員、本当にいい仕事が個人個人多かったんじゃないかなと思う。ヒットじゃなくてもそういう自分の打席というのをチームのために送れている打席が多かったかなと思います」と熱く語っていた。

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