「体が弱い」レッテルよさらば…巨人不動の二塁手が全試合スタメン出場中 疲れようが痛もうが「最後は気合、気持ちですよ」

リーグ優勝で歓喜の輪に飛び込む吉川(後方)らナイン(カメラ・宮崎 亮太)

◆JERA セ・リーグ 広島1―8巨人(28日・マツダスタジアム)

 歓喜の輪に吉川が笑顔で飛び込んだ。9回2死。背番号2が二ゴロを一塁へ転送すると、最高の瞬間が訪れる。「うれしいです!」。格別の時間をかみ締めた。

 突破口を開いた。4安打でチャンスメイクし、3度ホームへ生還。大一番で特大の輝きを放った。「4年前に優勝した時は何もできなかった。今回は少しは力になれたかな」と胸を張った。

 変革が結実した。開幕前はレギュラーを明言されない立場。「この世界は常に競争だと思っている。生き残るために変えることは全然怖くなかったです」。近年は成績が伸び悩んでおり、今季を「変化の年」と設定した。2年目以降同じだったバットの形状を変更。詰まることを恐れずに逆方向への意識を高めた。この日は4安打中が3安打が逆方向。圧倒的な守備力に対応力のある打撃が加わり、攻守で欠かせない存在へと変貌(へんぼう)を遂げた。

 入団から死球での離脱などアクシデントに見舞われがちで、体が弱いというレッテルを貼られてきた。そんな評判を日々のトレーニングとケアの意識を高めることで覆した。今季はここまで全試合にスタメン出場。シーズン最終盤で疲労もたまり、痛む箇所だってあった。それでも「最後は気合、気持ちですよ。大事なのは」。心身ともにタフな正二塁手として、チームをしっかりと支えてきた。「まだこれから戦いは続いていくと思うので、頑張っていきたい」。吉川の奮闘がついに報われた。(宮内 孝太)

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